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2012年8月 3日 (金)

江戸明治東京重ね地図(丸善)

 今更ながらです。私自身ももう2年以上毎日のように開いています。ひんぱんに発行された江戸の地図:切絵図は地図測量の概念がないので、方角・距離が正確ではありません。それを現代の地図に重ねて作り直したものです。
 illustratorを使って、丹念に古道と現在の痕跡を合わせて作成されました。有名ソフトとあって、レビューもたくさん書かれています。

Kasane

 縮尺が5段階切り替えられ、地図をすべてスクロールで移動できます。地名などで検索したり、関連した古写真や浮世絵がポップアップします。
 最大の特徴は3つの時代を三角スライダを使って重ね透かして比較ができるところです。透かし具合は無段階です。ブラタモリや街歩き番組をテレビで見ているときは、ノートパソコンでテーブルの上に必ず開いて楽しんでいます。
 自分でメモや画像を貼りつけけられるので、広重「名所江戸百景」や「江戸名所図会」なんかを貼りこむとおもしろいかも、と思いました。

 Windows7でも動作が保障されています。解像度を高くしてもより広い範囲を見られます。XPでたまにフリーズしたのがなくなったような気がします。
 PCソフトとしてほんのわずか瑕疵があります。地名や建物名を選んでジャンプすると、該当範囲が矩形で囲まれるのですが、この線が消えません。いや他の場所にジャンプすれば消えるのですが、そのままESCキーで消せるとかないのです。
 地図全体が長方形でありません。海の一部が範囲外です。地図の範囲外は青地で表現されますが、スクロールして青地がみえると、マウスを離すと地図内に戻ってしまいます。たとえば最小倍率で、台場・海保を見ようとすると、すべてを並べてみることが不可能です。海なのだから何もないデータを入れて矩形にすればいいのに。

 でもデータはしっかりしています。巣鴨のとげぬき地蔵もちゃんと元の位置にあります。文字なども拡大縮小に耐えるベクトル図形に直されているので、きれいです。ブラタモリ特別版でスタジオいっぱいの古地図を作ったとき、このソフトのデータを使ったのかなと思いました。
 惜しいのは、拡大縮小をラジオボタンでなく、スライダで無段階にやってほしかったことです。

 さらに希望としては、昭和戦前を重ねたい。江戸も幕府以前と元禄(吉良屋敷があった頃)などいくつかの時代を重ねて見られると素晴らしいと思います。関東大震災直前もいいなぁ。

 今更レビューを書いたのは、今年新作が出ていることに気づいたのです。その「今昔散歩 重ね地図」の発売はジャーピル社ですが、どちらも制作はAPPです。旧作の江戸は安政3年、新作は万延元年と4年ほどの差、明治は40年で同じです。旧作の現代は平成15年、新作は…ないようです。違った使い方を想定しているみたい。
 新作は、国土地理院の高度データをもっていて、疑似立体表示ができます。追加データのダウンロードや、古地図データの切りだしとGoogle Mapなどでの読み込みなどの機能が謳われています。

 さて、旧作を持っていて、2万円強を出す価値があるか。書籍・CDなら図書館で試せるんですけどねぇ。

 

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コメント

私はこのシリーズの一番最初の「江戸・東京重ね地図」と言うのを持っています。
今となっては画像が小さい、現代の地図が古い!となりましたが、新しいのは買っていません。
江戸時代の地図としては使えますし。現代と比較しても新しい道は書いていませんが、それでも判るからです。
APPの製品は他にも買っていて、「江戸/東京 芸能地図大鑑」(7では音源が完全には再生されないんですよね)
「古今東西噺家紳士録」(これも新しいのが出ていますね)

ここの製品は確かに面白いのですが、値段が少し高いですね。
アマゾンの中古を狙うと言う手もありますが・・・・

投稿: hajime | 2012年8月 3日 (金) 13時24分

『江戸明治東京…』は一部の図書館には置いてあるところがありますね。
出先なので確認できませんが目黒区は貸出しも可能だったような。
そういった図書館にリクエストしたら購入してくれるかもしれません。

発売元が試供版をネットでダウンロードしてくれるのが一番良いのですが。

ご存知かもしれませんが、目黒区は漫画の続き物をセットとして1冊カウントで貸してくれたり、ライトノベルの蔵書が充実していたり、ちょっとユニークな感じがします。

投稿: nam | 2012年8月 3日 (金) 13時55分

namさん、このソフトに関して図書館に通い始める前に買ったもので、その発想がありませんでした。よい情報を知りました。

今ざっと調べてみたら、荒川区・中央区・新宿区・東大和市に禁帯出であり、世田谷区・目黒区・日野市が貸し出し可能のようです。

私はDVDソフトのみのバージョンを買ったのですが、図書館のは江戸・明治の大地図(再構成)の書籍があって、ソフトはその付属品扱いです。書籍を図書館は入れたのでしょう。新版はたぶんソフトだけです。

投稿: snob | 2012年8月 3日 (金) 15時39分

hajimeさん、この「江戸明治東京重ね地図」には「江戸東京重ね地図」が同梱されています。明治があるとちゃんと測量された地図がより江戸と重なるし、現在は消えた地形が残っているのが面白いです。

そして「江戸東京」の方の拡大縮小は無段階だったような記憶があります。現代の地図が古い、というのが今回の新製品で省かれた理由かなと想像してます。もしかするとGoogle Mapと重ねて使う機能があるのかもしれません。

この地図と、前回の「江戸の町並み復元図」が重なると面白いと思いませんか。

投稿: snob | 2012年8月 3日 (金) 15時43分

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