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2012年9月16日 (日)

この音源はいったい?

 組み合わせを変えて新しいものを出す。マンガや小説の短編集に時々見られます。落語のCDでもそれが困りものです。書籍は最悪、書店で確認ができます。CDも視聴できる店はありますが、店で聴いても同じかどうかわかりません。
 高座の場所・日時を公表したり、ネットで冒頭だけ聞かせてくれるようになって、それができるものは良心的といえるでしょう。

 図書館で借りた音源について、こうやって記事を書いていると、通常の検索で発売状況を確かめたりをしょっちゅうします。するとときどき不明な音源に当たります。

 今回は小さんの”DVD落語絵ばなし”に当たってしまいました。「強情灸」「道具屋」「蜘蛛駕籠」の3高座が収録されているのですが、なんと小さんがアニメなのです。志ん生のラクゴニメもそうですが、ましてや本物の映像が豊富にある小さんでアニメとはどういう意図があるのでしょう?
 廃盤商品ですが、発売は複雑な経緯があるようで、最初はペイパービューだったようです。たぶん会社を変えたDVD宣伝のページが生きていて、そこで「強情灸」の冒頭だけ聞くことができ、どうやら1983.3.31の「強情灸3」(落語はろー)に当たるようです。TBS音源とまでは書いてあるのですが、他の2編についてはそれ以上のことがわかりません。TBSで配信中ともありますがリンクは切れています。
 予想としては既発売音源にアニメをつけたもの、だと思います。マニアに売るつもりなら”新音源”とか”初CD”とか謳うはずです。花禄の監修です。
 メールで問い合わせてみましたが、返事が返ってきません。

Ebanashi

 もうひとつ、これは現行商品です。「幻の名人落語映像」でメディアパル・トーハン・宝島ワンダーネットが組んで昨秋に発売しました。1・2が小さんで、3が談志、4が文治です。

 肝心の小さんですが、ネタは定番の「猫久」(29分58秒)「粗忽の使者」(34分40秒)・「笠碁」(36分10秒)「うどんや」(28分43秒)です。どちらのDVDにも小さん・談志の対談映像が付いていて、”ファン垂涎、幻の貴重映像”と売りにしています。
 また、1,190円という価格が落語DVDとして破格の値段だと強調しています。

 こちらは素性をメールで質問したら、メディアパルから返事をいただきました。1983年に日活が撮影したスタジオ映像だそうです。安くても客なしのスタジオでは食指があまり…、さらに竹書房から出ている”柳家小さん古典落語特選集”とのからみも気になります。はろーのリストとは1年違い、時間も異なるんですよね。

Maboroshi

 どちらも図書館には入らない性質のものです。

※追記(9/18): その後、個人の方やメディアパルからお返事を頂戴して、このDVDは竹書房やコロムビアとの重複はないとのことです。シリーズが続くかどうかは売れ行き次第で、データのストックは豊富にあるそうです。

※付記3(10/12):DVDはない、と決めつけていたのは間違いでした。落語絵ばなしのほうは品川区・江戸川区、さいたま市にありました。自分で確かめてから記事にすればあちこち迷惑をかけずに済んだのに…

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コメント

この製品はどちらも知っていました。
前者はお話になりませんが・・・見たことありますが、どうしても小さん師に見えませんww

後者ですが、この高座はお客がいませんが、注目すべき高座です。
談志師が完璧な高座を残したいと考えて、当時日活の監督をしていた、
三遊宗家の藤浦さんに頼んで、収録したものです。

当日は小さん師、談志師とも体調を整え、真剣に高座に望みました。
また、小さん師は納得のゆくまで、何回も撮り直したそうです。
出来は当時の談志師が「自分のはともかく、師匠のは、胸を張れて後世に残せる」と語っていました。
談志師曰く「師匠こさんの全盛時代に完璧な高座を残せて良かった」
と語っていました。

もし見ることが出来たら、必見だと思います(^^)

投稿: hajime | 2012年9月16日 (日) 22時21分

ありがとうございます。
 とすると、竹書房やコロムビアのDVDと一連のものということでしょうか。
 実はネットでカタログを見ているだけでは”五代目 柳家小さん 古典落語特選集”(竹書房・ハピネット)と”決定版 五代目柳家小さん 落語名演集”(コロムビア)の関係がきちんとつかめていませんでした。(レンタルできるようなので、いずれ確かめようと思ってました)

 藤浦監督・日活・小さんが組んだ保存記録が別な会社から10枚+5( or 10)枚、で出たという認識で大丈夫でしょうか。

 今回の記事のは、再生時間がそれとは異なるようですが、別テイク?それとも表記時間に間違いがある?なんだか混乱してきました。

投稿: snob | 2012年9月16日 (日) 23時39分

すみません。これは私のチョンボです。両方とも発売されていることは知っていましたが「落語はろー」には載せていません。片方はアニメという事で対象にしようか迷い結局買わないままで、もう片方は本屋で見て日活の映像の再発売だと知って購入しませんでした。パッケージだけ変えての販売というのは困ったものです。再生時間が違うというのは気になるところですが、「粗忽の使者」「笠碁」などそれぞれの噺にしては尺が長すぎると思います。解説映像でも含まれているのかもしれません。やはり確かめないといけないか・・・。

投稿: にしの | 2012年9月17日 (月) 02時56分

 そうでしたか。
 アニメ版は確かめるまでもなく新音源はないと思います。

 日活は同じ演目で別テイクはあったということですね。でも撮り直したとすると、これほど時間違いにはならないとは思います。対談や解説を含んだ数字なのかもしれないと思い、計算しても微妙に食い違いますが、HPでの表記が間違いだと予想はしています。再度メールで問い合わせてみます。

 買って、丸かぶりではよくありません。どなたかお持ちの方が”はろー”リストと比べていただけるといいのですが。

投稿: snob | 2012年9月17日 (月) 03時14分

 お持ちの方(一部)から、少なくとも「猫久」に関しては異なる素材であるという情報をいただきました。
 引き続き調査中。

投稿: snob | 2012年9月17日 (月) 11時18分

非常に興味深いですね。買ってしまおうかとも思いましたが、
snobさんの調査結果を待つことにします。

一連の日活のビデオ・DVDについてちょっと、調べて見ました。
「落語はろー」でも情報に不十分な点がありました。

日活の映像については「生前に自分の落語を完全な形で残そうと、日活撮影所で昭和1984年6月から5年の歳月をかけて、80席もの口演を収録。」と書いてあります。ビデオおよびDVDで発売されたのは43席ですから、まだ半分近く未発表の映像が残っているのですね。
 正確には分かりませんが1980年代後半から1990年代の前半に「にっかつビデオ」として「うどん屋」と「唖の釣」の2本のみが発売されています。「うどん屋」は後に竹書房から発売されるDVDに収録されますが、「唖の釣」はDVD発売されていません。1990年代後半くらいに、竹書房が、ビデオテープセット10巻組(20席)を発売します(この情報は「落語はろー」に未掲載)。
↓ヤフオクに出品されている情報
http://page6.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f118341303
 さらに2002年に、このビデオセットと同内容の映像が竹書房からDVDでセット・バラで発売されます。私はこのDVDセットを所持していますが、解説書には収録時期は「1984年6月~1985年12月」と記されています。2006年には、コロムビアから竹書房の映像とはダブらない形でDVDが発売、セット物(第一期・第二期それぞれ5本組)とバラ物で発売されます。しかしアマゾンで見るとセット物に関しては販売元は「日本コロムビア」と記してありますが、バラ物については「竹書房」と記してあります。これは謎です。「竹書房」のサイトには載っていませんでアマゾンの誤記だと思うのですが。
 小さん師匠は、「圓生百席」の映像版みたいなものを目指したのかもしれませんね。内容や収録日などのデータの全容が明らかになるよう望みます。

投稿: にしの | 2012年9月17日 (月) 15時31分

 再度問い合わせに対して、メディアパルから連絡をいただきました。「竹書房やコロムビアDVDとの重複はありません」とのことです。\(^O^)/

 本文のほうにも追加情報として載せておきます。

 調べてみようと思ったのはリストの口演時間との違いがきっかけでした。やはり役に立ちます!

>アマゾンの誤記
 どこかで誤情報が紛れ込んだのでしょう。デジタル時代はそのまま広がります。紀伊國屋書店の通販ページでも同様でした。

投稿: snob | 2012年9月18日 (火) 08時26分

早速注文しました。落語はろーの方にはなるべく早く反映させるよう努めます。
パッケージだけ見て、既に発売されている映像だと思ったのは早計でした。

>どこかで誤情報が紛れ込んだのでしょう。デジタル時代はそのまま広がります。

 私も情報を発信する身として十分留意します。

投稿: にしの | 2012年9月18日 (火) 19時26分

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