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2012年9月 1日 (土)

志ん朝 大須演芸場(河出書房新社)

 なにしろ、特典を含めて62席、毎日一生懸命聞ききました。かいあって、本日返却してきました。

 ブックレットには席亭はじめ大須関係者のエッセイが盛りだくさんです。独演会の度の中日新聞の記事が再録されていて、毎年、”もう○回目になるの”というコメントが載っているのがおかしい。大須で独演会が始まった経緯は、以前からいくつかの書籍で紹介された通りです。それと独演会の同行した芸人の思い出話。
 演題解説は長井好弘・読売新聞編集委員。興味深い解説です。
 巻末に独演会の演目一覧が掲載されています。それによると、本CDブックに収められていないものが、4つ。音源がないそうです。初回特典の「愛宕山」は本編に編入してあるべきでした。それでコンプリートです。もうひとつの「宮戸川」は日付が独演会と同じだけれど、演目一覧にありません。事情についてはまったく解説がありません。

 CDブック3冊はそれぞれ、5つ折れになっていてCD10巻ずつが収納されています。初版特典・予約特典CDは図書館のほうでブック3の内側に袋を張り付けています。
 初出演目は「あくび指南・強情灸・そば清・ぞろぞろ」です。予約特典盤の「風呂敷」以外はダブる演目はなく、それはもともと独演会の演目に10年の間、2度繰り返したものがないのです。この「風呂敷」と同じディスクの「酢豆腐」はともに1980年の物で、別の機会に大須演芸場を訪れた時の物でしょう。

 発売前は販売店特典やラジオ放送で、そのような音源が紹介される話もありました。流れてしまいましたが、ぜひ放送を実現してもらいたいです。

 まず、再生してすぐ気付くのは録音レベルが低いこと。私はCDプレーヤーをしまってあるので、PCで再生しますが、WMPの再生音量もPCの再生音量も最大にしないとよく聞こえません。うっかり他の音源を再生してしまうと大音量で驚きます。ふつうの落語CDの半分くらいかなぁ。

 プロの機材で録音したものではないので、SN比がかなり悪いのだと思います。編集で、音声がない部分のノイズを極力下げているものがあります。で、全体の音量も下げてある、と。
 でもいったん音量を適切にセットして聞いていると、没頭してしまうので他のCDを聞くときは注意が必要です。

 ほんとにリラックスして演っているというのがマクラでわかります。”ソープランド”や”吉原初登楼”の話なんかもポンポン出ます。
 「紙入れ」は39分中20分がマクラで、その中に「男の勲章」が。”山田吾一と呼ばれた”話は別に「二番煎じ・錦の袈裟・厩火事」に登場です。
 「お化け長屋」での、話題になるために”軽く癌でも患ってみようか”というクスグリには息をのみました。その時はすでに…。そして「崇徳院」で、”ここの席亭は葬式に「小言幸兵衛」をやってくれというが、あたしの方が先に”とウケてましたが、予言となってしまいました。
 「火事息子」を始めようとするときに、楽屋で消火器のピンが外れて白煙が漂ってきます。
 「そば清」の解説に、「志ん朝演出ではそばをたぐるシーンは最初は省かれている。最後のそば賭けでようやく仕草を見せる」とあります。確かにそこで観客はどよめきます。
 ちなみに、志ん生はすべて仕草なし。馬生は少し仕草を入れる、さん喬はすべて仕草付きで”食べる速さの変化”を表現していました。
 毎年の千秋楽のトリでは最後に三本締めをします。それが何本かに入っていますが、特に10年目の「居残り佐平治」では独演会が幕引きであることを告げます。その場で聞いているかのように寂しさを感じました。

Osubox

 現在のところ文京区に2セットのみ、126人待ちとなっています。盤面はピカピカです。一巡した後もきれいなまま、一つの欠損も出ないことを祈ります。

 書籍出版社発行なので、他の地域でも入る可能性はありますが、前に豊島区で質問してみたところ、”これは視聴覚扱いですね”とのことでした。次は練馬区かな?

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コメント

詳しいレポート有難う御座いました。
音量の低い音源と言うのは有名なレーベルでもたまにありますね。
明らかに、素人が録音した音源を書加工したのだと分かりますね。

寄席なんかでも志ん朝師は自分のペースで語っていました。
文章を読んでいて、それら寄席で師匠を見た日々か蘇ってきました。

葛飾には入らないかもしれません。(^^)

投稿: hajime | 2012年9月 1日 (土) 16時49分

 本当にこんなに新しい商品を入れてくれて、都民でもないのに貸してくれる…もう感謝です。わざわざでかける面倒が吹っ飛びます。

 音質の悪さは志ん生・文楽の音に慣れているから、苦にはならないですね。

 私は最近まで落語から遠ざかっていたので間に合いませんでした。でもこうやって音に触れるだけでも素晴らしいことです。

投稿: snob | 2012年9月 1日 (土) 20時20分

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