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2012年10月26日 (金)

江戸・東京の川

 結局ひと晩、シリアルナンバーの入力と、要求されるPCの再起動に追われていました。これで汚れた環境がすっきりしたはずです。そのあと各ソフトのセッティングがまた面倒です。

 しかしときどき、PCに「世話してくれ」と言われる以外はすることがないので、読書は進みました。

 以前の本が気に入ったので、鈴木理生さんの本を2冊借りてあります。1冊目が共著の「東京の地理がわかる事典」(日本実業出版・1999)です。先の「スーパービジュアル版 江戸・東京の地理と地名」と同じ出版社で7年前のものです。タイトルもそっくりですが、内容もほとんど同一でした。というより、こちらの本をカラーで図版を増やしたものといえます。事典と名がついていますから、各項目が1ページか2ページで完結します。
 第1章は「江戸以前の東京はどんなだったか」で、縄文海進の当時海に沈んでいた東京から話を書き起こし、運河、街道筋や宿場、現代の工場地帯と、地名の話題を解き明かしています。
 「ビジュアル…」を返してから借りたので直接比較をしていませんが、記事も「事典」とほぼ同じもので、それを精選した改訂版の位置づけです。だから「ビジュアル…」のほうで十分です。
Wakaru

 もう1冊は「江戸の川・東京の川」(日本放送出版協会・1978)と、もう少し古いものです。タイトルどおり、川と港に焦点を当てているので、さらに濃い原点という感じがします。

 川が作り出した谷と大地にも話は及びますが、その後の著作でも使われている図版はすでにここでも多用されています。記事と図版がやや離れ気味であるのが惜しい。

 江戸幕府は道三堀を手始めとして、平川の付け替え・神田川掘削、のちには利根川の東遷と河川の大工事をしていてこれまで何度も解説にふれました。しかし、幕府以前からそのような治水の試みがあったとしています。

 この書では、仮説を二つ 示しています。それは平川下流部の日本橋川が太田道灌あたりの時代に作られた人工河川なのではないか。そして、石神井川が滝野川で渓谷を作って崖を降りて、今のJR沿いの音無川と、隅田川へ続く本流に分かれていましたが、その王子周辺部も人工によるのではないか、というものです。

 初めて見ましたが、銀座線地下鉄工事の地質調査を検討すると日本橋川の河床が自然に流れて削られた様子がないというのが根拠で、納得です。
 石神井川のほうは、どうも流路が特異だということのようですが、本来は崖の手前で方向を変え、谷田川と合流して不忍池へと続いたと推測しています。
 のちの書籍では直接、自説を繰り返して記述していないのですが、再利用した図にはしっかりその主張が残っています。
Edonokawa

どの本も川が暗渠となって死んでいくことに大きく疑問を投げかけています。

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コメント

高熱を出している間に、面白い記事をお書きなっていたのですね。
日本橋川が人工河川だはないか、という事は私も何かの本で読んで知っていました。

不忍池に谷田部川が注ぎ込んでいたのは明治の頃まで確認されいますから、石神井川の方も可能性はありますね。
私の持っている本に載っている「長禄年間江戸之起立図」というのをみると(実にいい加減な図ですが)奥州街道を滝川村が通っていて、王子稲荷らしき書き込みもあり人家もあった様に書かかれています。
見る人が見ると、この図では、石神井川は王子から戸田川に流れる川に 繋がっていなくて、神田の西の小石川方面と上野の山との間の不忍池に流れていっています。
確かにつながってないんですよね。

平川の方はあまりにもアバウトなので判りませんが、江戸城の側に桜田村、平川村とあり、川らしき河川をはさんで向こう側が神田村と記されています。
その流れはまっすぐですね。
この長禄年間は太田道灌の頃ですが、このあと工事をしたのかも知れませんが・・・・
想像するのは面白いですね(^^)

この図は私のブログにも載せています。
http://blog.livedoor.jp/isogaihajime/archives/1598616.html
一番下です。クリックすると拡大します(^^)

投稿: hajime | 2012年10月27日 (土) 22時59分

体調の悪い時になにかと思って、ブログのほうにコメしませんでしたが、回復しておいでのようで安心しました。

 自分のこの記事は読み返しても伝えきれていないと感じますが、100ページ(三分の一以上)を家康以前に割いているのは珍しく、この方の本はどれも江戸以前の図を多く作成していて興味深かったです。

投稿: snob | 2012年10月27日 (土) 23時27分

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