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2012年11月23日 (金)

落語の参考書

 ときどき、噺の出自が気になることがあります。調べるには…

 何にも100%はありませんが、ネットよりは書籍のほうが頼りになります(そういいつつ「千字寄席」のサイトは大いに信頼しています)。
 だから書籍の落語資料集も手元にほしいところです。本当は講談文庫で出ていた、興津要「古典落語」上・下・続・続々・続々々・大尾と揃えてあるので、その解説部分だけでもかなり役に立つはずなのですが、なにしろ本を段ボール箱に詰めて家のあちこちにしまいこんで、家族から邪魔にされているのでどこにあるかわかりません。

 デアゴスティーニのDVD「落語百選」のおまけ(?)の冊子も、その時々の配本の演目の解説とは別に、巻末に五十音順の落語演目解題が連載されました。デアゴなので少々信頼性に欠けるきらいがあります。

 以前参考にした、川戸貞吉「落語大百科」(冬青社・2000年)も面白いですが、5分冊のハードカバーを置く余裕はないです。古くは東大落語研究会の「落語事典」(青蛙書房・1969年)とかいろいろありますが、今回図書館で、「定本落語三百題」(岩波書店・2007年)を借りてみました。小咄・落語の研究者、武藤禎夫さんの著作です。

 内容は、さすがにカタい。英語より苦手な旧仮名遣いの文語文がいきなりあらわれたりします。

「加賀の千代」
 下女の寝所へ、亭主が毎晩毎晩夜這いに行く故、女房大きに腹を立て、下女を二階に寝させければ、ある夜又、二階へ夜這に行きし故、女房は下より梯子を引いて置きける。程なく夜も明けたる故、びつくりして降りかけるに、梯子はなし。二階の上り口にて、もぢもぢしているうち、亭主も下女も腹は減る。下を見れば、女房はむまそふに朝飯を食ふている。…

 これは小咄でした。私の知っている三木助のやった「加賀の千代」が別の話で、それについては簡潔に筋を加えています。
 こんな具合でなかなか先に読み進みません。聞いたことのない題名も結構あるので、ゆっくりよんでいこうと貸し出しの延長処理をしました。

 やはり図書館で見かけた矢野誠一「新版・落語手帖」(講談社・2009年、元は1988年)が手元に置くには手頃そうなので、買おうかな。

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コメント

 私の場合は、落語の出自なんかは実はどうでもよくて、余計な知識をいれずにその落語のみを楽しみます。ブログで記事を書く為に仕方無しにいろんな事を調べたりしますが、専門的に調べている訳では無いので結局はCDのライナーノーツかなんかの受け売りでしかありません。

 ただし噺家のバイオグラフィーだけは、その時代の世相とも関連してくるのでウチで取り上げた噺家の生没年や出囃子や本名、前名等はメモ帳に書いて保存してあるので、必要な時にコピペして使ってます。

 今困っているのは、二代目 円歌の生年です。志ん生より一つ年下で明治24(1891)年4月28日生まれの筈なんですが、ウィキには1890年生まれと書いてあります。そう云うものって確かめようが無いので困ります。

投稿: 藪井竹庵 | 2012年11月23日 (金) 19時25分

>出自

気になるのはたまーに、です。それにまったく知らない噺もありますから。

>円歌の生年
こころがけて調べてみます。

投稿: snob | 2012年11月23日 (金) 22時04分

落語の出自といえば、何より思い出されるのはTBSテレビ「落語特選会」での榎本滋民さんの解説です。番組の冒頭の解説で必ず噺の出典を説明しておられました。私も出自とかはほとんど気にしない質なのですが。

>二代目円歌の生年
落語家のデータで一番信頼のおけるのはやはり平凡社の「古今東西落語家事典」だと思いますが、明治24年(1891)になっていますね。wikiは結構間違いが多いです。つい昨日も、六代目圓生師の項目で「最後の口演は習志野文化ホールでなされた」というのが誤りであることが判明しました。

投稿: mirach | 2012年11月23日 (金) 23時42分

 mirachさん。円歌の生年、ありがとうございます(^ω^)
 私は円歌さんの明るい語りが大好きなので、いい加減にして欲しくないんです。

 榎本さんの山本アナとの落語解説は最高でしたね。解説芸とも云えました。今の京須さんと女子アナのコンビは、まったく落語をバカにしているとしか思えません。

 榎本さんや山本アナも習志野と語ってますし、石碑も建立されてるようなんですが・・・圓生がなんとかって小噺をやった後に倒れたってのは違うんですかねぇ(^ω^)

投稿: 藪井竹庵 | 2012年11月24日 (土) 08時46分

藪井竹庵さま。いつもブログ拝見しています。

習志野である事には間違いはないのですが「習志野文化ホール」ではなく、隣のビルにある結婚式場での後援会の発足式が圓生師の最後の口演の場だったのです。当時の新聞縮刷版を複数見て確認しました。文化ホールの入口の向かいに「圓生終焉の地」の石碑が建っているので勘違いする方が多いのですね(^_^)

>矢野誠一「新版・落語手帖」
 1988年に元の版が出版されていますが、落語ファンになりたての私にとってこの書は道案内の本でした。あの頃は初めての噺を聴くのが楽しくてたまらず、ページをめくりながら、次はどんな噺を聴こうかと考えていました。

投稿: mirach | 2012年11月24日 (土) 10時12分

藪先生、詳しくはmirachさんのブログで(http://mirach.asablo.jp/blog/)

落語はろーのページからも行けます。

>「新版・落語手帳」
アマゾンのコメントだとその後に出た文庫よりもできがいいそうで。文庫派の私としても気になるところです。追補も期待できるかも?

投稿: snob | 2012年11月24日 (土) 10時47分

二代目円歌師匠の生年は興津要さんの『古典落語(上)』でも1891年となっているのを確認しました。

榎本滋民さんが東京の国立小劇場のプログラムに連載した「落語掌事典」をまとめた『落語ことば辞典―江戸時代をよむ』は手元に起きたいなと思いながら手が出せていません。
東大落語会の『増補落語事典』は新古本が古本屋に流れていたのを買いました。これは掲載されているネタの数が多いのが特長特徴ですが、粗筋とネタ元の最小限の解説のみで読んで面白いものでは無いですね。
矢野さんの『落語手帖』は駸々堂版を持っています。ちょっとした蘊蓄や芸談が楽しいですね。改版を買うか迷いましたが結局は買わず。訂正や増補がどの程度有ったか気になるどころでは有りますが。
矢野さんの『落語読本 精選三百三席』が文春文庫から出ていて持ち歩くには最適だったのですが、これは絶版。『落語手帖』を持っていれば探してまで買う必要は無いですね。
川戸さんの大百科は川戸さん自らの噺家とのエピソードが楽しいんですがハードカバーで一冊が2500円オーバーはなかなか手が出ません。

薮さんの様に予備知識無しに楽しむのが良いのだと思いますが、私はこういったレファレンス本を読むこと自体がけっこう好きなんです。

投稿: nam | 2012年11月24日 (土) 12時05分

namさん、「落語読本 精選三百三席」の中古での在庫を確認しました。同じ矢野さんですから内容の重複があると思います。文庫で100円以下ですから(送料のほうが高い)ぜひ内容を比較して、決めたいと思います。

投稿: snob | 2012年11月24日 (土) 15時26分

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