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2012年12月 7日 (金)

風雲児たち 幕末編21

 ちょっと前に発売になってアマゾンで買いました。唯一能動的に読み続けている「風雲児たち」21巻です。

 落語もそうですが、若いころこのマンガに出会ったのが、それと別に”江戸”に興味を持つようになったきっかけです。ただの文字列だった歴史が、画像になって(マンガだから当たり前ですが)飛び込んできます。
Bakumatu21

 今回は桜田門外の変の朝から始まります。ギャグマンガなので大名行列を見に、武鑑を手にやってくる見物人は、現代のオタクの会話をします。「こうまで寒いとかえってファイトがわくなあ」と雪の早朝に見物にやってきた侍が言います。「さよう夏は炎天下と汗のにおいに耐えてこそ大名オタ」「拙者は晴海の時代から通い詰めておるわ」と。そして足音だけで「御三家、尾張公じゃっ」と飛び出してはケータイで行列の写メを撮ります。
 作者、みなもと太郎さんの作風で、そのあと襲撃と後始末はシリアスに続きます。月刊誌の連載で7回を費やしてもまだ終わらないのですが、間に1コマ、印象に残るシーンが描かれています。

 惨劇が短時間で済んだあと、ようやく気付いたすぐそばの井伊家の家臣たちは、他の大名の行列のために現場を清めなければいけません。夜になって、その何もない、ただどす黒く汚れた雪の地面だけのところに提灯片手に野次馬が集まっている図です。彼らは輪になって現場を覗き込んでいる。後ろには行列見物客あいての屋台があり、奥には大名屋敷が漆黒の背景に浮かび上がる。それがページ全面に描かれている、その現場感覚がたまらなく好きなのです。

 このマンガが明治維新を迎えるにはまだ何年もかかるはずです。ぜひご一読を。

※追加

うっかり書き忘れていました。「風雲児たち」と別に書かれて、のちに外伝として、さらに出版社が変わって本伝に組み込まれた「宝暦治水伝」がJコミでまるまる1冊無料公開されています。ギャグパートが少なめです。
Chisui

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コメント

う~ん、面白そうですね。
snobさんが前にもオススメされていたので読んでみたいと思ったのですが、ここまで巻数が進んでしまっているとなかなか手が出せません。
こういうときに図書館から借りられると良いのですが、私の行きつけの図書館には無いようです。

ちなみに宮本武蔵を描く漫画『バガボンド』は図書館で借りて26巻まで読んだところで飽きてしまいました。

投稿: nam | 2012年12月 7日 (金) 21時53分

面白いんですよ。中学の歴史で三大改革と習うんですけど、寛政の改革・天保の改革は何をやったかよくわからないままでした。そのあたり何が失敗だったかとか理解できます。

その前の解体新書エピソードも、明治以降の語学教育に影を落としてることが読めたり。

葛飾区・北区・練馬区・目黒区(初期の巻のみ)が所蔵し、図書ですからリクエストしてみる手もあるかも
namさんになら私がお貸ししても…

投稿: snob | 2012年12月 7日 (金) 22時41分

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