« 歴史秘話ヒストリア | トップページ | エイトマン コンプリート »

2013年1月26日 (土)

圓朝全集

 時代に従って、絶えず改訂されている落語。時としてそのおおもとに触れてみたいことがあります。圓朝全集もそのおおもとの一つです。圓朝より前に落語の速記自体が存在しないのですから、それより以前にはたどり着きようもありません。
 志ん生もぼろぼろになっても、高座を引退してからも、読み続けたといいます。さすがにどんな口調かまでは再現できないのは当然として、ストーリの飾りを取り払うことができます。

 ところが、これがどこにでもある本というわけにいきません。昨年暮れから岩波書店での再刊が始まりましたが、手に入れる気になりません。もっとも良いのは、青空文庫に全収録してもらうことです。ボランティアによる入力ですからなかなか進まないのは仕方ありません。

 また、この青空文庫が、圓朝自身の著作権保護期間が切れているのは自明として、入力の底本の編者の著作権について追及したページ「『圓朝全集』は誰のものか」がおもしろい。結果として編纂者・鈴木行三さんの業績をあぶりだしています。

 結論として、「よって鈴木行三氏の著作権は、2013年1月1日まで切れない」けれども、青空文庫化は問題がないとして、現在42編を公開しています(今年は切れたわけですね)。完結には時間がかかるでしょう。
 現在演じられない噺も多くありますが、「文七元結」などをみても、どれだけ変化しているかわかります。

 それまでは書籍の圓朝全集を図書館で見ることになります。
 全集には、おおもとの春陽堂版(1926)、世界文庫版(1963など)、角川版(1975)があります。
 東京都立図書館には、刊行中の岩波版を含めてすべてそろっていますが、どれも館内閲覧のみで、区立図書館への貸し出し協力もないようです。
 春陽堂版は、千代田区などに数点ありますが、戦前の書籍とあって貸し出すところはありません。世界文庫・角川版については地域図書館にあれば貸し出し可です。船橋市・鎌倉市でも春陽堂は禁帯出。しかし、熊谷市では13巻中12巻を貸し出し可で登録しています。

|

« 歴史秘話ヒストリア | トップページ | エイトマン コンプリート »

コメント

 考えてみると私は面白い落語を聴きたいだけであって、落語の研究者ではないんですよね。落語を研究しようだなどと思った事もない(^ω^)

 志ん生も何かの演目のマクラで、「落語なんて研究するヤツはいない」って語ってます。

 三遊亭圓朝と云う明治初期から中期にかけての噺家兼落語作家は、東京落語の中興のビッグネームです。東京落語に於いては水戸黄門の印籠の如く「圓朝」ってのが出てきます。

 落語ってのはもしかしたら、誰が作ったと云う作家がいない演芸ではなかったかと思えます。笑話版の出版社は江戸時代にもありその編集長は面白い話を集めて本にする。落語作家はその本のライターだったと思われます。江戸時代にはそんなに笑話版は売れなかったと思われますが、明治になって活版印刷が一般化すると、江戸時代よりも多くの本が売れたはずです。

 圓朝が作った噺は面白いとなれば、出版社としては実際に圓朝が作ったものではないものまで圓朝作として本を売り出したはずです。百年以上前の事とて、良く判らない部分ではあります(^ω^)

投稿: 藪井竹庵 | 2013年1月28日 (月) 21時05分

 私も自分ごときの知識で”研究”などとはおこがましいと思っています。
 でも「聞きたいだけ」でなくって、面白い噺があったときに、そのことをもっと知りたいと思ったり、疑問に感じたことを調べている程度です。
 そしてその延長で、圓朝の噺に触れてみたいとしたら速記が図書館にある。恵まれた環境にあるのだなと思います。

 そしてときどき、自分の書いたものに反応を頂ける、顔も知らない仲間がいて、書き込みこそないけれど通りすがりの訪問者がいるのも嬉しいことです。

投稿: snob | 2013年1月28日 (月) 23時31分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 圓朝全集:

« 歴史秘話ヒストリア | トップページ | エイトマン コンプリート »