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2013年4月 7日 (日)

江戸大地震之図

 BSで放映された安政大地震の直前から復興までを絵巻で描いた資料をようやく借りました。コメントでいただいたとおり、講談社「秘蔵日本美術大観 5」(1996)にありました。所蔵図書館に行けばすぐに手元でみられるのは分かっていましたが、美術書ということで大きさと重さが心配で、地元図書館に取り寄せることにしました。
 焦る必要もなかったので、先週日曜に申し込んだら、通常2週間はみるところ、たまたま3日で届いていました。
Hizobijutu

 この美術書は、「大英博物館」からはじまり、所蔵館別の構成で、第5巻がチェスター・ビーティー・ライブラリーの絵画コレクションがおさめられています。チェスター・ビーティー卿という鉱山王が、膨大なコレクションを故郷のダブリンに寄贈しました。

 彼が1917年に世界一周した折に日本で蒐集したようです。

 当然、そのHPのギャラリーには一部の収蔵品が紹介されていますが、今回目的の絵巻は見当たりませんでした。この本を借りるほかに見る方法はなさそうです。

 予想した通り、41 x 28.7の大きさで、化粧箱に収納されています。地元で借りることができたのは正解でした。

 この巻に「安政大地震災禍絵図」として、該当の絵巻物が見開き6ページにわたって掲載されています。ここに収められたのは、東大のものの写本だといわれています。

 しかし、いかんせん絵巻を収めるには大判の書籍でも不足です。TVでは全画面をアップで映しだしたわけではなかったので、今回借りてみたのですが、かなり縮小されていて細部まで鑑賞するわけにいきませんでした。
Anseibook
 それでもカラーで印刷されているのは幸いでした。資料の半分はモノクロなのです。

 地震前の晩秋の風情や、商業地のにぎわい。寝静まった街を地震が襲い、家が崩れる。遠方に火災はやがて身近に迫ります。

 逃げ惑う人々と逃げ切れない人たち。地震後の火災で焼死した家族を悲しむ場面には、広島原爆や東京空襲後を思わせる炭化した遺体が描かれています。
Burn
 被災者が持ち出したふすまや畳で囲いを作って当面の生活を始める姿。やがて復興が始まり、江戸城の堀の向こうにはめでたい鶴と富士山で終わります。

 やっぱりもっと大きな絵で見たいと思いました。書籍の厚みもあって、中央の綴じの部分は平らに開きません。国宝島津家文書の一部なのですから、広くデジタルで公開してほしいものです。

 つまらないところに気付きましたが、江戸時代の雪だるまって、ダルマを大きくした形なんですね。
Snowman

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コメント

Wikipediaの雪だるまの項には

 歌川広景による『江戸名所道戯尽』の一葉には、供え物が置かれた雪だるまが描かれており、「だるま」と同じく縁起物であったと思われる。

と記載されていますね。

他にも雪で作った達磨の絵を見たように思うのですが、定かでは有りません。

投稿: nam | 2013年4月 8日 (月) 12時56分

 おおそうでしたか。年だけ重ねても新たな知識が増える喜びはもてるものですね。

 同じコレクションの中の他の絵巻と比べても絵のうまさが際立ちます。絵巻物はもともと物語を順に描くのにも使われた形式ですから、震災のビフォーアフターを記録するのにちょうどよかったのでしょう。

 wiki見てきました。そんなダルマです。
 このwikiの浮世絵は国会図書館のデジタル資料で見られるんですね。絵巻もそんな形で公開されるとうれしいのですが。

投稿: snob | 2013年4月 8日 (月) 20時34分

この絵巻の初めのほうに歩いている力士がいたと思いますが、ご存知でしたら教えて下さい。

投稿: | 2013年5月16日 (木) 00時53分

>力士

 んー、書籍はとっくに返却してしまって、TVのキャプチャもないので、お答えすることができません。
 どこにでも所蔵する本ではありませんが、どの県にもあるとは思います。

 高精細な図も探していますが、アップされていないようです。

投稿: snob | 2013年5月16日 (木) 02時03分

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