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2013年5月 8日 (水)

江戸町人の研究(吉川弘文館)

 一冊16,000円を超える本。専門書ですね。題名が検索されて手に取りました。将軍家や武家、大商人などとくらべ、この分野の研究は遅れているそうです。

 第1巻の最初の発行は1973年、編著者は東京教育大学の西山松之助先生、昨年正月に99歳で没しています。翌年出た第3巻末尾に第5巻、6巻の内容が広告されています。
 実際に第5巻の発行は少しおいて1978年、第6巻は2006年に出ました。3巻の序文中には吉原をテーマにする第10巻への言及もありますから、歴史学者の息の長い研究をまとめていく構想だったのでしょう。

 何冊も借りては読むのに時間がかかるだろうと、第6巻だけリクエストしました。新しい?だけに図書館への配備も少ないし、出版社のサイトを見ても内容が書かれていなかったので現物に当たりたかった。

 この巻は「戦国江戸地域」「奉行付町火消」「嘉永期の江戸歌舞伎興行」「川上不白」「渡辺崋山の風俗画」「御免富」「江戸の除夜の鐘」「朝鮮通信使と太宰春台」などと題名を見てもなんのことやらわかりません。
 最寄りの館に取り寄せて、この目次を見、中をぱらぱらめくって、「御免富」の副題が「その不正と事故」とあって面白そうなので、借りて自宅で読むことにしました。

 私は歴史学というのは学んだことがないのですが、細かいことまでこだわって調べるものですね。富くじの事故ってたとえば2枚同時に突いてしまったとかです。対策も文書で残っていて、錐の穂先を短く、札の厚さと同じにして防ごうとしたそうです。
 でも札を突き抜けてしまい、また2枚重ねて突いたというドジッ子ぶりが楽しい。

 感応寺は、五重塔が戦後、放火で焼けたことからわかるように、震災・戦災を逃れたので、江戸の記録がたっぷり残っているんですね。

 当たりくじにも交換の期限があります。家族の看病などで期限を過ぎてしまった人が訴え出て、奉行所の調停で、結局半額もらえた件も現在の自己責任からは考えられない事件です。

 落語によくある、すぐ当たり札を換金すると差し引かれるという制度については書かれていません。不正や事故じゃないですからね。そういうことはまた別の書籍にあるのでしょう。

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