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2013年6月29日 (土)

居酒屋で

 酒が飲める人がうらやましい、と思います。どこどこの地酒がおいしい、とかこのワインはふくよかな味、この料理にはこの酒がぴったり、といった話を聞くたびに、自分は世の中の喜びを知らないのだなあと残念です。

 ビールならコップ1杯、ウーロン杯も1杯までです。すぐに赤くなって眠りこけます。
 初めて飲んだのは、ジンギスカンの羊々亭で、ジョッキ一杯でトイレに駆け込んだのを覚えています。(そのくせタバコは初めの一服からウマかった)

 だから晩酌はしたことがありませんし、付き合い以外で酒場を訪ねたことがありませんでした。それが何を考えたか、何か月か前に、一人で新しくできた焼き鳥屋に行ったことがあります。

 焼き鳥とドリンクを注文して、食べ始めました。座った席のひとつ奥のテーブルに8人くらいの職人がにぎやかに飲んでいました。

 地元だからそういうこともあるのでしょう、その中の一人が私を見て、「先生…?」と声をかけてきました。顔を上げて相手を見ても覚えがありません。
 「…?」「×中の先生でしょ?」「そうだけど…」

 教え子を忘れることもあるでしょう(担任なら忘れません)。話を聞いてみると、担当学年の一つ下の子でした。子でしたと言っても今は30半ばです。
 全員が、私の中学校の卒業生ではありませんでしたが、他の子は私を知らない、その一人だけが、うっすら覚えていたようです。相手も私の名前までは知りません。
 なにしろ学年10クラスまであったようなマンモス校です。自分の学年でも一度も教えたことがない子もいます。まして、他の学年となるとわかりません。

 そうはいっても、自分の学年以外のヤンキーたちには進んでぶつかっていった口ですから、その子の記憶のどこかにあったのでしょう。
 当時の自分の学年のヤンキーたちの話をしていったら、おぼろげに話が符合します。みんな、中学校のときは”ワルかった”と口々に言います。
 私の科目を聞くので、英語と応えました。

 すると、これは他校の卒業生でしょうか、「あのころ英語勉強しときゃよかった」と言いはじめました。型枠工などを含む、建設会社の社員の集まりでしたが、外国の建設現場にたびたび行くそうです(おもに東南アジア)。「英語教えてよ」とこれは酔った口。

 ふうむ、やはり国際化した今、実用的な英語が必要なのだな、と納得しかけたところ、「女に、英語ができないって馬鹿にされるんだよ」

 外国花魁に値下げ交渉するにはどういったらいいんだ?と。そんな実用英語は私も知りません。

 この話じゃあ、生徒に「誰でも英語が使えなくてはいけない」という実例にして聞かせることができません。できませんが、英語の話せない日本人は夜の姫君から下に見られるというのは考えなくてはなりませんね。

※このような過去の生徒の話題にはあえてフェイクを加えてあります

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