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2013年6月24日 (月)

大江戸美味草紙・酒道楽(リイド社)

 もう数年前のマンガですが、今でもときどき単行本を本棚から取り出して読み返してしまいます。
Oedodoraku  Oedozosi

 「酒の細道」など酒場で飲み食いするだけの作品で有名な漫画家、ラズウェル細木の2作品。近ごろでは主人公が毎回ウナギを食うだけという連載も展開してました。

 この作品でも江戸時代の酒肴のうんちくを語るのは変わりません。でもそれが、その時々の江戸の季節を上手に考証してマンガに仕立ててあると、現代ものと印象が全く違います。

 美味草紙のほうは、女戯作者のヒモである亭主があちこちで飲み食い、酒道楽では棒手振りの酒売りがあちこちで商売しつつ、飲み食いするだけなんですが、その背景となる江戸の風物がリアルに迫ってきます。
 握り飯ほどの大きさだった寿司が小さくなったエピソードや、江戸にもあった促成栽培の野菜など食うんちくもいいですが、待乳山や隅田川などの実際の土地が背景に描かれると、ギャグ漫画のタッチにもかかわらず、なんか本当に眺めているような感じがするのです。

 もともとリイド社の雑誌に連載されていたものですが、その雑誌の本筋である時代劇マンガではストーリーがあります。なにか事件が起こって解決したり。怪異譚だったり。

 この作品では、やっぱり落語的な感じがするのが気に入っている理由のような気がします。生活感がたっぷりなんです。ときどき街なかで出会うどこかの若旦那は、白塗りのカブキ野郎だし。友人が見合いをする話では、江戸解説本で読んでいたしきたりが、絵になって納得です。こんな感じだったんだ。

 同じ雑誌で、のちに連載された作品は、まだ”本を増やさない”掟を破るまでにはさせてくれません。。この主人公たちで描きつづけていってほしかった。 

 都内の図書館では葛飾区・江東区・中央区に置かれているくらいです。単行本も何種類か出ているので、手に取ってみてほしい本です。

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コメント

美味草紙の方は持ってます…が、読んでません。
ブックオフでたまたま見つけて、面白そうと買ったのですが、積ん読です。
snobさんお勧めとあらば読んでみなくては!
杉浦日向子氏の著作にも「大江戸美味草紙」有りますが、関連は有るのかしら?それとも原典があるとか?

私は本が増えすぎてカミさんに叱られるくちですが、ブックオフに行くとついついテンションが上がって買っちゃうんですよね。

何やら評判のよい漫画「昭和元禄落語心中」も2巻まで買ったのですが、読まず。
買って読まないんじゃ、叱られてもしょうがないw

投稿: nam | 2013年6月24日 (月) 22時02分

 杉浦さんのは、(文庫は)ほとんどもっていますが、家の中でどこに行ったか…。あちらはエッセイだったと思うので、関係あってもインスパイアだと思います。雑誌連載中は別の題名だったし。

 面白いですよー。もちろん好きずきです。

 積ん読-大量に買い集めた時代の本でそうなっているのはありますが、たいていは読んでしまいました。気に入れば何度も。
 困ったちゃんは積みプラのほうで…、時計台もまた組んでないです。この部屋では作っても置き場所がないorz

投稿: snob | 2013年6月24日 (月) 22時25分

 こんな事を云っては申し訳ないが・・・米国のジョージ・ワシントンが1776年だったかの4th of July(7月4日)に英国からの独立宣言をして現在の「欧州人」による米国の歴史が始まってから、たかだか240年程度の歴史しかない新興国が現在の米国です。

 江戸も家康が慶長8(1603)年に征夷大将軍になってから江戸幕府が始まったと考えれば、その歴史はたかだか410年。日本の歴史を考えるとどうしても邪馬台国と云う事になり、西高東低の文化になります。

 江戸前鮨にしたって大阪の押し寿司の真似ですね。江戸前鮨の始まりは、弁当を持たない一人者の大工が仕事の合間に小腹が空いた時にスナックとして屋台の握り鮨をつまんだのが始まりとされてますね。だからおむすびくらいの大きさのものを二つくらい仕事の合間に食べたんです。

 ちっかってる魚を食うのが目的ではなくて、「しし」は昼食代わりに喰うスナック的米飯なので、江戸前鮨のルーツは屋台のおにぎりだったと云えますね。

投稿: 藪井竹庵 | 2013年6月24日 (月) 23時59分

>おにぎり

 そうですね、それを小さくしたのが華屋与兵衛で江戸前握りの元祖となっています(異論もあるようです)。
 それを借りたエピソードがこのマンガに使われました。

>米国の歴史

 申し訳ないことはないですよ。歴史の浅い国であることは間違いないことです。

>410年

 江戸時代って、隔絶された時代のように思っていましたが、日々の暮らしの中にすごく影響が残っていると思うんです。特に関東では。
 飛鳥や平安より、ずっと大きな影を落としている。でも明治みたいにダイレクトじゃなかったりする。だから歴史嫌いが江戸に興味を持つようになりました。

 歴史が浅くても今の日本にアメリカの影響が大であることも現実ですね。

投稿: snob | 2013年6月25日 (火) 00時18分

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