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2014年6月 2日 (月)

「再現 江戸の景観」の講演を聞く

Edokeikan  副題が「(浮世絵に)描かれた江戸、描かれなかった江戸」というもので、忠実な写生とは言い難い江戸の浮世絵のデフォルメを古地図などから再現したCGと比較して浮かび上がられるものです、鹿島出版会から2009年に上梓されました。

 今回はその筆者代表の東大教授、清水英範先生の講演を聞きました。実は「再現 江戸の景観」は論文集みたいなもので、どういう資料をどんな理由でどう数値化したかということにほとんどのページを割いています。
 目次を見ればたとえば「江戸絵図の歪みと幾何補正」とか「建造物の考証とモデリング」といった見出しが並び、最も読みたいのは最終章「現代によみがえる江戸絵図の世界」で浮世絵師が、いかに富士と江戸城の位置を変えて描いたかを知ることができます。
 残念なことにCGがすべてモノクロ印刷であり、「江戸の眺め」を見る本としては弱いです。

 ただ、コンピュータで江戸を再現してほしいという私の希望に最も近い研究です。あとがきに「従来の景観再現の試みでは、富士山や江戸湾などの地形眺望の可能性は無視されていた。それに対し地形に対してできるだけの厳密性を追求して街路景観の再現を可能にした」とあります。
 それが、4年たってどう進んでいるのかはぜひ知りたいことでした。

 門外漢のための講演ですから、書籍にあるような数値的な検証の話はありません。最終章の浮世絵と計算でできた江戸の景観の違いを雑談交じりで説明してくれました。もともとは土木を志す学生の減少があって、江戸をテーマにして少しでもひきつけようというところから始まったようです。

 知りたかった、肝心の作業の進展ですが、残念ながら大きく進んではいないようです。PCの進歩からCG計算の速度も上がり…なんてことを期待してたのですけど。
 江戸博物館なんかとも共同作業の提案もあったりしたけれど、某都政の変更が影響したそうです。文化なんかに金は出せないという…
 東京電機大学とも連絡は取り合ったりはあるみたいで、今後の可能性はありそうです。

 清水先生が強調していたのは皇居東御苑です。外国のガイドブックには必ず載っていて観光客に外国人は多いけれど、日本の学生はほとんど知らない。そこには焼失した天守閣の場所に天守台が残されているのに…。先生はCGの天守閣から見た市中の眺めも再現しているのでした。

 そういえば自分もまだ行ってないと思い出し、近々の訪問を決めたのでした。

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