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2015年4月 3日 (金)

江戸の桜

隅田川、上野、飛鳥山と、何度も訪れたことのある手近な花見を繰り返しました。最後に、これもかねてから情報に触れて、この季節を待っていた一本の桜を訪問しました。   
   
品川区清岸寺の古木、「祐天桜」です。樹齢は250年を超え、二十三区最古の桜です。寛文年間の創建時、祐天上人手植えと伝わり、樹勢に衰えは見られるというものの見事に花を開いていました。(目黒祐天寺は上人の死後弟子が創建) 
Yutenzakura  
   
周囲に9つの寺がまとまっており、時代の変遷で廃寺や転入などでいれかわりましたが、大部分が芝の増上寺の塔頭。明暦の大火後に麻布狸穴に移転していたものが、4代将軍綱重の屋敷地とするために再移転して、大崎の増上寺として古地図にのっています。   
この清岸寺のみ戦災を免れ、山門も江戸時代のものが残っています。   
   
高輪の木戸の外、江戸の外ですから、この桜を江戸の人たちが見たかどうか。今でこそ古木ですが、昔はそうでないわけで。でも桜目当てでなくとも増上寺の一部ですから、参拝に来る善男善女はいたことでしょう。   
   
いまでこそ花見の名所の桜はみな、ソメイヨシノですが、吉宗が庶民の楽しみに場所を整えたころは在来のこの木のような種類だったはずです。そして当時は白金の台地の上に位置し、崖下を見下ろすとすぐに高輪の海岸が迫っていました。そんな往時をしのびます。   
   
先月のことですが、その新しい品種、ソメイヨシノの原木は上野公園にあるのではないかという説が唱えられました。染井の植木商によって作られた品種ですが、繁殖できないF1ということで接ぎ木で増やされ今や日本全国を席巻しているものの、すべてがクローンです。その最初の一本が動物園正門近くに規則的に並んで植えられたものの中にあるのでは?というのです。樹木医の推定樹齢とは合わない面があるようですが、桜の寿命を考えると、最初の一本が残っているとしたらすごいことです。

さて、この祐天桜は、組織培養によって、後世に引き継ぐ試みが4年前に行われ、苗木が成長して、本家の脇に花をつけるまでに育っています。
Yutenclone

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