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2015年5月

2015年5月26日 (火)

廃棄されたユピテルカセット

もともとこのブログは、どの図書館でどの落語音源を借りることができるか、を忘備録代わりに記録することが主旨でして、いつの間にか方向を見失っているのが現状です。   
すべての情報を記録し終わったわけではないのですが、放置状態になっているのです。   
ところが、「一目上り」を録音できたことから、ユピテルの落語音源について再調査をしたところ、愕然としました。   
   
いま、ユピテルという会社は音楽事業から手を引いているようですが、落語のテープも出していて、その名は「志ん生大全集」などの音源リストに顔を覗かせます。中にはユピテルでしか発売されていない音源があり、図書館になんども検索をかけてみたものです。   
   
ところが、図書館で古い音源にはビクターやコロムビアなど大メーカーも含め、会社名が記載されていないことが多く、しかもシリーズタイトルだけで中に含む演目もないこともままあり、どうしても現地での確認が必要でした。   
書籍の短編集で、出版社名や収録タイトルがない状態だと思うと、図書館での落語音源の扱いがうかがい知れます。   
また、落語音源のシリーズ名が、「○○落語集」「○○落語特選」「○○名演集」と似通ったものばかりで、手掛かりとして頼りないという面もあります。   
   
今でも調査は未完了なのですが、現認しているうちに、ユピテルの音源を発見したのが数年前。   
文京区に圓生の「落語傑作選」レコードが1枚。   
墨田区に同じものがテープとして1本、文楽のテープ7本、志ん生2本、金馬7本、志ん朝1本。正蔵1本。小さん1本。金馬は別シリーズ「落語特選名人集」が4本   
そして神奈川県立に「落語傑作選」文楽2本。正蔵1本   
やはり会社を超えたダブりがあって、不要な音源が多い。
Shinsho     
   
墨田区の文楽テープは「傑作選1」を借りたところが、別会社のテープが確保されました。確認すると処分されていて嘆いていたら、これも今は閉鎖されているTBSの落語配信販売サイトで、収録の「船徳」を発見するという(自分的には)ドラマチックな展開がありました。
志ん生のは惜しかった。幸い「唐茄子屋」が残っていましたが、「一目上り」のテープがおそらく廃棄された後で、これも大いに落胆していたところに今回の放送でした。   
志ん朝としてはめずらしく、他社との音源ダブりもありましたが、「寝床」のほうはその当時は珍しい、共産党落ちのものを聞くことができました。   
金馬はほとんどがダブりで、「狂歌家主」1演目が唯一音源。   
正蔵は珍しい「ちきり伊勢屋」   
神奈川県立の文楽は、墨田区で欠番のものが1本あって助かりました。ただ、小さんの音源も保有していた形跡があり、発見できなかったのは残念でした。   
   
今回の件があって確認したところ、墨田区は圓生、志ん生、志ん朝、小さん、そして文楽の1本、正蔵のもの(八広図書館蔵書のテープ)がリストから消えていました。   
   
図書館は書籍の入れ替えが避けられません。テープには劣化もあります。でも係りが音源を聞いてチェックするのはあまり考えられず、機械的に処分したのかなと想像します。   
今回は放送で補完されましたが、図書館に現存しないものはどんな音源が消えたのかもわかりません。せめて20年前に気づいていれば…   

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2015年5月21日 (木)

志ん生の「一目上がり」

ネタもなくてしばらくブログも触ってなかったし、落語も聞いてませんでした。録音してあった志の輔の「落語deデート」をタブレットに移して、移動の電車の中で聞いていたら!   
   
ゲストとのやり取りのあと、志ん生の「一目上がり」(昭和41年1月1日NHK放送)と紹介されて耳を疑いました。    
「一目上がり」はユピテルのテープで販売されていたものがあるので、それなのだと思います。    
今はすっかり完了した感のある図書館落語音源探索ですが、これは探しても探しても見つからなかった音源です。まさかあっさり放送されるとは思ってもいませんでした。    
   
外国育ちの女性ゲストが、あっけからんと「何言ってるかわからない」と聞き終えていってるくらいでしたから、出来がいいとは言えません。    
しかし、ジグソーパズルの最後のピースがはまったような充足感があります。   
   
文化放送は自社音源以外にも市販テープもきちんと保管しているのでしょうか。一度覗いてみたいものです。

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2015年5月12日 (火)

ARの旅

ちょっと前になりますが、本当にツアーとしてCGを現実の風景に重ね合わせたAR(拡張現実)旅行を販売していると知りました。(近畿日本ツーリスト:3月で終了している模様)   
   
江戸城や日本橋などにバス移動するたびにヘッドマウントディスプレイ=スマートディスプレイを装着して過去の再現CGを見る、視点の方向を変えるのにCGがリアルタイムに追従して映像が動くようです。   
そういえば、失敗したときの東京五輪招致活動で、IOCの視察団にディスプレイを装着させて、仮想の五輪会場を見せていたのを思い出しました。   
だから技術自体は目新しいものではありませんが、「そんなものが商売になるんだ」   
Aredotour
   
そのツアー紹介の映像は録画しそびれてしまいましたが、別な番組で奈良でもARバスツアーを企画してました。バスに乗りながら飛鳥時代の風景や事件をCGで実景に重ねて体験するというものです。
Arasuka     
   
最近テレビでCG映像を見ても品質の改善に驚くばかりです。明治神宮の森の育成計画の番組でも、100年間の森林の遷移の映像90秒が美しかったです。カメラがパン・ティルト・移動しても数十本の木とその枝の重なり、一枚いちまいの葉が普通にちゃんと見えるのですから、「金かけたねー」「ここまでできるんだ」と感じます。   
   
CG・VR・ARと進歩はすさまじい。私はその場の実景と重ねあわせることまでは望まないので、江戸の町を自由にウォークスルーできる日に、一歩近づいたのかもしれないなーと期待が膨らみました。

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2015年5月10日 (日)

秘仏、御前立とレプリカ

私は信仰心も篤くないし、仏像にもあまり興味があるわけじゃありません。   
でも、土曜日の昼近くごろごろしてテレビの再放送を見ていたら、こないだ見た増上寺の宝物館の番組でしたが、そのとき気づかなかった近隣の寺での秘仏の御開帳が第二土曜日、当日だとわかりました。   
   
すぐに昼食を済ませて電車に乗って泉岳寺駅に向かったのは、単なる物見高さからです。   
なにしろ、御前立という言葉一つとってもおととし両国回向院に長野善光寺の出開帳で説明を聞いたときで、それくらいものを知らない人間です。   
   
善光寺では代々の住職も見たことのない秘仏が本尊で、今年のような7年に一度の御開帳には前立観音を公開します。おととしの出開帳には別の明治時代の前立観音を持ってきたという話でした。   
浅草寺の一寸八分の本尊も前立観音も秘仏だそうですが、御前立は年に一度御開帳。本尊は明治時代に存在が確認されてるそうです。   
   
今回の番組で紹介していたのは港区の魚籃寺。8世紀に中国で作られた魚籃観音が九州に渡来して、江戸に寛永のころ三田の地に祭るようになったそうです。秘仏として、50年に一度出開帳に関東各地を回るときには公開したそうですが、現在は年に一度、施餓鬼に合わせて開帳しているようです。   
   
泉岳寺駅から伊皿子坂を登り、頂上から魚籃坂を下る。その中腹に坂の名のもととなった魚籃寺はあります。着いた1時には檀家の施餓鬼会が開かれていて、秘仏はもとより前立観音も拝見することはできませんでした。本堂の前には開帳を期待して20人ほどがたむろしていました。その時間、寺務所にレプリカが置かれているといいますが、せっかく来たので、近くの喫茶店で時間を潰して再訪することにしました。
Gyoranji  Gyoranji_hondo
    
施餓鬼が終わった3時から開帳の再開です。本堂に入れてもらってまず前立観音、そして行列して祭壇を2段上がって秘仏を拝みました。魚籃観音は仏が珍しいことに女性に化身して姿を現したものだそうです。   
   
写真撮影は禁止なのでキャプチャーをはっておきます。   
Gyorankannonmaedati

Gyorankannon

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2015年5月 9日 (土)

江戸東京博 リニューアル

これもテレビで知ったので、まことに受け身では情報が遅くなると思い知りました。3月下旬に常設展が模様替えとなって、その記念で「名所江戸百景」の一挙展示を企画展示しているのです。それがこの週末までだということで、ギリギリ間に合ったのはいいんですが、実は2期に分けての開催で、もう前半は終わっていたのです(しかもリニューアル初日は無料)。   
   
で、大慌てで出かけてみました。1階の入場券売り場には行列ができていたので、3階で。エスカレーターで登って入場です。    
   
日本橋の向こうに大スクリーンがあり、江戸城CGが映し出されていました。そのとおり、初めに迎えてくれるスケールモデル、江戸城本丸一部(松の廊下など)・大名屋敷・日本橋の商業区域に加えて、新しく江戸城本丸・二の丸のもの(内堀内)が加わっていました。消失した天守も再現されています。    
Edojo_model

1つ階を下がった「町の暮らし」は実物大長屋が2室だったのが、一棟まるまるに増やされています。大工の部屋、指物師、お産直後、洗い張り、手習いと一部屋ごとに趣向を変えてあり、井戸やトイレも再現してあります。
Edonagaya Edonagaya2     
   
絵草子屋はそのままで、その先に寿司と蕎麦の屋台が新設されています。以前から火消しの纏を持ち上げる体験ができましたが、魚の棒手振りを荷うことができるようになりました。(下肥の桶体験は以前から?あったけ?)    
Edoyatai  Botefuri
   
千石船と三越の模型はそのまま。玉川上水の上流部と中流部が新たに模型となりました。(下町での上水道の模型はたしか階上にあったはず)    
増えたものがあれば減ったものがあるはずで、きちんと確認はしてませんが、お茶の水の神田川を渡る神田上水の懸け樋の模型はなくなったようです。    
   
両国橋のジオラマはそのまま、芝居と遊郭のゾーンはにも細かな追加があります。 ここは新吉原遊郭をそれを囲む田んぼとともに模型化してもらいたいところです。    
   
そして企画展示室に勢揃い(半分)した「江戸百」はさすがの眼福でした。こうなると前半を見落としたのが悔やまれます。   

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運河を巡る

費用をかけずに行動するをモットーにしている私ですが、今回はそのくびきを外しました。

かつて江戸の下町を運河が縦横にめぐっていました。現在、その多くは暗渠化されてしまいましたが。残ったものも、一時は悪臭放つ下水溝化していましたが近年は改善されています。
隅田川には昔から水上バスが通っていますし、十数年前は荒川の秋ヶ瀬関から葛西までの旅客船もありました。そしてあるとき、小さな船に思いがけないところで出会い、小さな運河を巡る定期船があることを知ったのです。

スカイツリー脇の北十間川も以前は濁った水が滞留していましたが、すっかり整備されて、かつてのビルの裏口がならんでいた面に店舗が次々オープンして表通りに変わってきました。

そこに小さな船着き場が設けられ、観光の定期便が通るようになりました。調べると2社が運航しているようで、あとはチャーターなどでも立ち寄る会社があるようです。

出航するとすぐ、釣り糸を垂れる人がいました。グーグルアースでも確認できますが、両岸にテラスが完成しています。柳島妙見脇の十間橋をくぐるとすぐ、横十間川との分岐です。そのまままっすぐ旧中川へと向かうコースもあります。ほぼ直角に船が曲がるとテラスは途切れますが、ところどころ工事中です。オリンピックに向けて親水テラスを増やしているところだそうです。ところどころ葦の群落もあります。水の浄化に役立つから何らかの形でテラスに取り込んでくれるといいですね。

総武線の下を過ぎると塞がれた竪川の跡が現れます。今の三つ目通り、四つ目通りの名はこの水路にかかっていた橋にちなみます。

すぐに猿江恩賜公園に差し掛かりますが、ここは貯木場の跡。古くからの木製の親水テラスが張り出してます。

そして以前に自転車で渡ったことのあるクローバー橋で小名木川と交差します。小名木川を右に曲がると水路の幅が大きく広がります。なにしろ行徳の塩を運ぶために最初に作られた運河で、川船会所も設けられた重要水路です。今でも小麦を運搬船から吸い上げるポンプが見られますが、もうじき操業を止めるそうです。

小名木川はまだカミソリ堤防がほとんどで、堤防沿いの遊歩道もわずかですが、順次、川面の親水テラスも増やしていく感じです。

両岸には桜が植わっていて、時期には水路を包み込むような見事な光景になるはずです。

このコースの最大のポイントは、隅田川が近づき、地盤沈下した東側を守るための扇橋閘門です。まさに現代の技術です。

通行する船は墨田川との水位差を上り下りするのに、この閘門を無料で通行できます。捜査室の指令で信号が切り替わるのに合わせて閘門に侵入し、注水・排水をしばらく待ちます。開いた門をくぐるときにはしずくが降り注ぎますから、船内にはこうもり傘が用意してあります。



隅田川に出ると船がひどく揺れます。行き交う水上バスや運送船の立てる波のせいです。それも日本橋川に逃げ込むまで。

高速道路の下をしばらく進み、日本橋に着きました。船着き場では他の船が客を降ろしていてしばらく待ってから上陸となりました。

Nihonbashi

幅の広い隅田川の水上バスと違い、狭い運河・河川の航行はまた違った視線を与えてくれました。旧中川に行く別のルートや神田川へいく他の会社もありますし、川のほうに向いた店舗も増えてきました。川との付き合い方がまた変わっていくのでしょう。

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2015年5月 5日 (火)

増上寺の宝物殿

増上寺まで久しぶりに自転車で出かけました。今年はなんでも家康没後400年だそうで、祥月命日の先月17日には大法要が執り行われたようです。この増上寺の他にもも寛永寺も日光東照宮でも何らかの行事があったでしょう。近くの芝東照宮(もともとは江戸時代は増上寺境内の家康を祭る安国殿) にもその日に日光から例幣使が来社したようです。   
増上寺では徳川墓所を公開していますし、寛永寺でも文書による申し込みは必要ですが、公開が定例化しているようで、2月先までいっぱいです。家康は日光東照宮の眠り猫をくぐった先に埋葬されています。3代家光は同じく日光の輪王寺大猷院に葬られていますから、1・2・3・5・6・7・8・9・13・14代将軍墓所をお参りできることになります。15代慶喜が谷中霊園内で柵の内に眠り、他は寛永寺で非公開です。   
   
今回は、増上寺に新しく宝物展示室がオープンしたのでそれを目的に出かけました。将軍墓所は戦前までは各将軍の霊廟が散在していたようですが、戦災で焼失、現在地にまとめられました。特に2代秀忠の霊廟・台徳院殿は豪華で国宝でした。白黒写真はかなり残っていて、以前NHKでCGで往時の姿がよみがえりました。   
しかし、明治期にイギリスの博覧会に美術学校制作の模型が展示され、終了後に英王室に寄贈された1/10模型がイギリスに保管されていたというのです。それが里帰りして修復のうえ、宝物館で公開されるようになりました。現芸大で高村光雲指揮のもと本物を作る技術でもって作られた模型です。テレビ番組で知って、見に行かないわけにはいきません。   
展示室自体がこのために新設されたようなものです。この中で模型は大きなガラスケースに分割して内部が詳しくみられるように収められています。屋根部分のケースには底に鏡が置かれて、天井部が反射して見えるように工夫もされています。   
入館料700円で、戦前の白黒写真がお土産に付きます。   
   
室内は撮影禁止なので、番組のキャプチャーを。これをもとに再建…なんて無理ですね。

Daitokuin_model

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