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2016年1月

2016年1月30日 (土)

たばこと塩の博物館の「隅田川をめぐる文化と産業」

Tabacomuseum
今年の特別展の初回です。ご近所になったのだし、入館料も100円で気安く毎回でも懐を痛めることがありません。パンフは去年もらってあり、浮世絵や江戸期の解説・展示もあるので入館しました。   
   
特別展示室は大きく二つに仕切られて、順路は奥からです。そちらの部屋と手前の部屋のパーティションひと面が江戸期の行徳塩田との水路。手前の部屋の続きに、明治期以降の流域の産業で、マッチ工場、石鹸(化粧品)、たばこ工場(JT自身)、ビール、セイコー時計などの紹介があります。   
明治43年の洪水や関東大震災の記録が「絵葉書」という形で残っていたのは意外でした。考えればテレビの無料ニュースはないし、新聞の写真はドットでできた不鮮明なものだったし、「絵葉書」は記念品ではなくて、有料でも人が求める報道の役割も果たしていたのだと気づかされます。   
   
江戸の展示の目玉は屏風絵「江戸近郊春秋遊興図屏風」です。隅田川のあそびの春と秋、前期展示ではその右隻(春)が展示されています。展示自体は3・21まで続きますが、2・16からの後期には左隻(秋)に切り替わるのです。今も「秋」は縮小した写真で見ることができるので、切り替え後には逆になるのでしょう。また、目録を見ると十点以上の浮世絵が入れ替わります。   
   
今回は入館時に年間パスポート500円を購入しました。これで大半は同じものである展示後期もそのまま入ることができます。せっかく近所にあるのだから、たびたび時間を過ごすことにしましょう。   
次回の特別展は「根付と提げ物」で印籠や煙草入れもでるようだし、パスを有効に使えそうです。4月から始まるので、そのペースでいけば年間で4階は展覧会がありそうです。   
なによりも、関連講演会にも入館料が必要で、それもパスで入れます。講演会は複数回開かれ、「隅田川をめぐる文化と産業」展では7回の予定です。   
   
土曜日も、雪は降らずに10時には雨も上がっていましたので、自転車で再び博物館に向かいました。スカイツリー駅を越えて浅草通りを渡るとすぐです。講演会には朝の会幹事から整理券を配るのです。   
こういうのも近所の利得ですね。出足が鈍かったのか、10時半を過ぎてましたが6番をゲットしました。   
いったん帰宅して年寄りと昼食を食べてから講演会に向かいました。講演の内容はあとでまとめます。

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2016年1月28日 (木)

「江戸東京の地形の謎」(二見書房)

2013年発行。まえがきにて、「古地図は震災以降、別の資料側面をもつようになった」ことが語られます。人間の記憶が忘れてしまった事象の痕跡が遺されているのです。

Chikeinonazo     
   
本文は「水道橋」の名の謎から始まります。神田上水の懸け樋と水道橋はそれほど近くない。近くにあるという理由での名と一般に思われていますが、そうではなかったのです。    
水道橋はもともと吉祥寺橋といいました。明暦の大火後、駒込に移転した吉祥寺がもともとたもとにあったのです。そして、「江戸屏風図」にはその橋の下に水道の懸け樋が併設されているのが描かれています。    
   
洪水で上水を供給する懸け樋が流されたので、被害が及ばないよう下流に移設されたと、資料には見えない記憶が残っていると主張します。ここでひきこまれてどんどん読み進めていきました。   
   
ページ構成はまず見開き2ページで古地図を見せ、次の2ページで解説を加えるのがほとんどです。だから解説本文を読んで地図を参照したいときは最小の動作で済みます。   
地図は左右のページで同じ地域の別のものを示す例が多く、その地図の年代は平成の現代図、明治・大正の測量図、安政・明暦・寛永の古地図が組み合さされて、時代による変遷を明らかにします。   
特に多用されているのが、寛永の江戸図で、手書きではありますが、のちの時代の版行地図と比べてもそん色がありません(痛んでますけど)。手書きだけに当時の地形の凹凸が色を使って表現されているという特徴があり、江戸の初期の地形をうかがい知ることができます。   
    Kanei_edo_sample_1
10年前に新発見のもので、まだあまり研究の進んでいないものだそうですから、本書がその手始めなのかもしれません。地図の発行元のjpgを借りてきましたが、当時の江戸は隅田川まであったから、これで全図になるんですね。(ちなみにこの「寛永江戸全図」は都立中央、中央区・港区・西東京市のみ所蔵。西東京以外は禁帯出あつかいです)   
   
解説本文でも、「八重洲口」は「八重洲河岸」が丸の内にあったのになぜ東京駅の東側なのか、とか神田小川町と神田川開削、神保町の地名の話などおもしろく読みました。   
   
その神保町や、人形町・元吉原は地図・文・地図・文と8ページにわたって扱っているのですが、他にも2ページの解説がちょっと伸びて次の地図をまたいだりがあります。   
そうなるとページをめくる手が煩雑になります。   
また見開き地図もページいっぱい余白なしで大きさを確保していますが、そうすると綴目で地図がゆがむ、と紙媒体の弱点に気付かされます。
Mihirakichizu     
それは前回記事にした「スリバチ地形さんぽ」でも同じなわけで、美術事典でもそうですが、電子書籍がふさわしいと思うんです(出てません)。   
   
タブレットで持ち歩くなら何冊も携帯して現地で参照できますし、歪みは抑えられるし、できるかどうかは知りませんが、地図部分を表示したまま解説本文を見られるかも。

 

この書籍は都内であればほとんどの区・市にあります。ただし、墨田区は1冊だけなのに、台東区・品川区は3冊、江東区に至っては8冊所蔵と地域の差があります。私は地元では待ちが入っていたので、江東区で借りました。

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2016年1月25日 (月)

浮世絵の闇

一応。このあとの記事は審判するだけの知識はありません。ただ傍からおもしろがっているだけのことであります。   
   
もともと風景浮世絵にしか興味がなかったのが、「春画」~「肉筆美人画」と弾みがついて、人物浮世絵への関心も少し高くなりました。    
だから、先ごろ「美の巨人たち」で幻の歌麿浮世絵「深川の雪」を扱ったのを録画して見てしまいました。    
同じ題材で数年かけて取材をした「歴史秘話ヒストリア」「日曜美術館」でも昨年放送があったのですが、わりとマークしている番組なのに見た記憶がないので自分の気持ちが変わった現れです。    
   
深川の岡場所の料亭で、遊女や芸者、女中など26人の女性が思い思いに過ごす様子が描かれた鮮やかで美しい絵です。いったん外国に流出、日本に買い戻され1948年にデパートの浮世絵展で公開されたそうです。しかし3日後に引き上げられてそれっきり行方不明だったものが発見されたのだというから、背後のストーリーも好奇心をそそります。これまでは白黒写真が遺されていただけでした。    
無落款ですが、浮世絵界の重鎮二人が鑑定で真筆としました。
Fukagawa_yuki       
   
番組では「謎」と煽っていたのですが、「なぜ深川とわかるか」=羽織芸者や素足の娼妓、「なぜ唇が緑か」=笹色紅、「以前の作品中の人物と酷似している」=画業の集大成、などのちょっとした謎でした。    
   
「品川の月」「吉原の花」と雪月花の三部作を成すそうで、他の2点はアメリカに。三部作とはいえ、それぞれの絵が描かれた時代はかなり離れているようで、素人目にも番組で紹介された「吉原の花」は色合いが違って見えます。他の作品の情報も読みたくなりました。
Shinagawa_tuki      Yoshiwara_hana

で、ここでグーグル先生の出番です。
わりと上位のサイトに「深川の雪」は偽作である、というものがかかりました。詳しくは国学院横山教授サイトを見つけていただくとして、「笹色紅」が浮世絵で描かれるようになるのは、歌麿没後10年近くたって英泉の時代であることが決定的としておられるようです。

驚いたことに「品川」「吉原」も明治期の偽作であるとのこと。    
   
それが本当なら、鮮やかさも人物の酷似も、それが故ということになります。偽物作者は歌麿の過去の作品から模写するしかないですからね。    
そして展覧会からの3日で撤去も開催中に偽作と気づいたからとするとピタリとはまります。 
   
どちらの結論に定まるかはわかりませんが、もうすでに権威であろうとNHKであろうと、正しくないことがあることは知っています。この番組、見たらすぐに消すつもりでしたが、しばらくとっておくことにします。

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2016年1月23日 (土)

東京「スリバチ」地形散歩(洋泉社)1・2

やっと手に取りました。2013年秋にでた2と、あわせて読みました。地域別に章立てされていて、1と2で重なる地域はありません。
Suribati1 Suribati2
   
坂という直線だけでなく、くぼ地とそこから外に向かう坂道の集合という3次元的に地形をとらえて「スリバチ」と名付けて愛でるのが特徴です。その視点が受けて続巻の刊行となったのでしょう。    
   
スリバチの説明は必然的に自然史、そこでの過去の生活が現代の様相と絡み合って分かりやすく、教わるところ大でした。行ってみたい場所がいくつも見つかりました。   
各所の案内はまずカシミール3Dの地図を冒頭に見開きで置き、スリバチの断面図、風景写真を配置した説明が続きます。    
だから、知らない地域の説明は、この類の本の宿命ですが地図のページと説明を行ったり来たり。谷中など地図が要らない旧知の土地の説明はすんなりと頭に入ってきて、その範囲の中で団子坂北の須藤公園という新しい情報が紹介されると頭に入りやすい。一気に読み下すのではなく、行動範囲を広げつつその地域の項目を参照と同時進行がよいと思いました。   
   
全ページにわたってカラーなので図も風景がわかりやすい。なにより、カシミール3Dの標高の色分けを場所ごとに最適に調整して、とても美しく見せてくれるのが素晴らしい。 即、感じたのは、「自分はカシミールで何にもしてないなー」ってこと。    
   
だいたい地図ったって、全国版で買ったソフトでもそうなのですが、カシミールでも東京周りしか見ないのに、山岳地帯を美しく描画する設定を使っていたのでは東京のような微高低差には合わないということにようやく気付きました。
Kasi5m   Kasi5m2    
   
そこで、さっそく手持ちのカシミールのパレットを設定しました。スキャンして色情報をRGBで読み取ろうとしましたが、印刷物はドットの集まりなのでもくろみは失敗。目検討になりましたがこんな感じです。谷田川(藍染川)の流域が広いのがよくわかります。この図の南には今はない江戸前島が埋め立てられた日比谷入り江の対岸に浮かび上がります。
Kasipalette     
さらに地図と重ね合わせて50%の透過設定で地名と地形の組み合わせがわかります。
Kasitrans       
今回、5mメッシュを改めてDLしなおして読み込ませたところ、数年前と比べて収録範囲が広がっていて驚きました。   
   
こうできるようになると、次に実現したいことがはっきりと見えてきました。

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2016年1月20日 (水)

いざさらば雪見にいかむころぶまで

この芭蕉の句は本当は居留していた名古屋で詠んだものだそうです。それなのに句碑が向島の、桜餅で有名な、長命寺にもあります。安政5年(1858)建立。
Yukimikuhi    
それだけ「隅田川の雪見」は江戸の文人たちの趣味に合っていたのでしょう。    
NHKの「浮世絵ツアー」シリーズも「江戸の街」「東海道」ときて今年度は「江戸の四季めぐり」をやっていますが、2月中旬に最後の「冬の巻」が放送されます。きっと番組でも雪見は取り上げるだろうと予想しています。     
   
月曜の夜半に強い雨が雪に変わって音が変わりました。で、ちょいと風流を味わいに外に出ようと待ち構えてました。    
積もった雪はすべてを覆い隠し、降る雪が遠景を霞ませ、現代と過去の境をぼかしてくれるはず。昨冬も雪見を楽しむことはできませんでしたが、今回も明け方に雨に戻って空振りに終わりました。向島の雪の取材は次のチャンスを待つことにしましょう。     
   
雪の日の落語というと思い出すのが「和歌三神」。志ん生の音源を聞き、「志ん生全集」で読んだのみですが、酒飲み噺であるだけに気持ちよさそうに演じてますね。    
雪の日に、俳人である主人が権助に鍬で雪をかくようにいうと、鍬は売ってしまったという。で、言い訳に歌を詠む。雪見に出かけた向島で見かけた三人の乞食にふるまうと、あだ名がみんな和歌の名手=和歌三神であって、それぞれがちなんだ和歌のパロディを披露する。    
実際の権助やお菰さんがそのような教養をもっていたかはわかりませんが、すくなくとも聞いている客の方にはあった。    
「千早振る」などの百人一首を題材にした噺もそうですが、時代が違えば庶民一般の教養も変わるのはならいとはいえ、捨ててしまったことに寂しさを覚えます。    
それだからか、この「和歌三神」、放送などで手が届く範囲ですが、かかったのを聞いたことがありません。    
理由としてこの噺の欠陥はいくつか考えられます。一つは和歌三神は今はわからないので、それについて仕込む必要がある。このへんは廓噺なんかも同じでエイヤって説明なしに乗り切ってしまう手もあります。    
落ちの「和歌三神だねぇ」「イヤ馬鹿三人でございます」がつまらないのは、そんな噺はいくらでもあって、主人-権助のやりとりにクスグリを足して、向島の雪の風情を深めればいい噺になるような、そんな気がしてなりません。    
   
一人のお菰さんのあだ名は、「古典に鑑みて不適切な…」では言い訳の立たない欠陥です。「なりんぼうの平吉=(在原)なりひら」だというのですが、さすがに「なりんぼう(らい病人)」は使ってはダメでしょう。だいたい今は通じないし。それを説明するのはおかしい。    
そこでそこを変えることを考えてみました。「もとは相場で財を成したが、放蕩で使い果たして実を落とした」と設定を変えて、「元は成金の平吉で、なりひらだ」と逃げるのはどうでしょうか。和歌パロディも「千早振る神や仏に見放されかかる姿に我はなりひら」のまんまでいけると思います。    
   
ふと向島の雪景色が惜しくなって思った戯言でした。プロならもっとちゃんと考えるでしょう。    
   
それにしても、実際は現行の「志ん生大全集」からは、外されているのに、Amazonなどの検索だと第20巻に含まれているように記されています。どうしたんでしょ?
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2016年1月 9日 (土)

深川資料館で風雲児たち展と記念講演会

暮にチケットを買っておいた、「風雲児たち」作者のみなもと太郎の講演会に行ってきました。   
月初めには70枚くらいの売れ行きだったのが直前に予約が殺到したそうで300人の定員以上が詰めかけていました。補助のイスも用意されてました。   
   
風雲児たち展は、マンガの原画と著作物の陳列で、壁三面に貴重な原画を見学することができます。   
連休11日までの開催で、あと1日で終了です。   
   
もう30年を越える愛読書ですので、原作者の話を聞きたい、様子を知りたいという一心でしたが、前日になってチラシを確認すると「サイン会あります」との告知に気付きました。どれだけうかつなのか。   
サインしてもらうのに、色紙がいるのか?チラシに書いてもらうか?とも考えましたが、やはり著作物だろうと、「風雲児たち 幕末編」の最新巻を買うことにしました。そう、書籍実物を買うのをやめて電子書籍で買った第26巻です。いろいろあたって書泉ブックタワーで購入して資料館に向かいました。   
   
Fuunji_exb
開演まで間があったので展示場に先に入りました。講演会後に入場することを考慮して閉館時間をのばしてあるそうです。なお、通常の展示物も正月仕様になっています(飾りや雑煮)。
Fukagawa_newyear    
すると会場に、ずっと購入を考え、ためらっていたコミケ出品の「外伝」が置いてあり、内容が確認できたことと資料館事務室で購入できると注文書もありました。もう迷うのをやめて買うしかない、と申し込んで4冊買いました。   
このことは、整理してあらためて記事にします。   
   
講演会は二部構成。最初に駒沢大の先生の幕末概観。1時間で「ペリー来航」以降西南戦争まで、いろいろな説を紹介しつつ駆け抜けたのは困難な作業で、「世に流布する伝説めいた話を鵜呑みにしないで幕末の物語を見直さなければならない」と、締めくくりました。   
   
それが「風雲児たち」の構成そのものを言い表していたのです。   
対談の形でみなもと先生の講演は始まりました。   
数年で終えるつもりで関ヶ原から書き起こした時に、幕末の混乱の前に蘭学の興隆を描かなければならないなど、大筋は決まっていたので、連載前にこれから登場する人物の似顔絵とか場所の下絵をもう用意してある。   
それまでは黒船来航の説明の後、林子平の開国兵談を紹介するなど、歴史解説は時系列を飛んだわかりづらかったのを改善したかった…ら、こんなに長くなってしまった。   
もう、いつ終わるか考えずにこのまま書き続けるのでいいのではと思い始めている、といまだに残る京都のアクセントで元気に話してくれました。   
   
ときおり聴衆は納得しながら爆笑をして聞き入りました。68歳の作家は時間がたつにつれ頭脳と弁がまわるようです。記憶は怪しくなったそうで、エピソードを以前書いたかどうかに悩むこともあるとか。   
女優の杏とテレビ番組で同席するというときに、100を超えるご母堂が亡くなられおじゃんになったそうで、その番組を楽しみにしていた者たちは疑問が解けました。   
次の27巻はGWごろに、その杏が帯に推薦文を書くそうで楽しみです。   
読者に歴史学者が増えてきて困る、それどころか「風雲児たち」を読んで歴史学者になった人もいる…というのは   
   
以前は終わるのかどうか心配もしましたが、ご本人が言うようにずっとこの状態が続いてもいいのだと思います。もしかするとこちらの方が先ということもあるかもしれません。   
   
講演後、並んで26巻にサインを頂戴をしました。先に事務室で購入していたのが功を奏し、会場ロビーで本を売り始めましたが、それを買ってからサインの列に並んだのでは、どんどん後になるところでした。そして待っている間に「売り切れ」の声が何度もかかりました。
Taro_sign

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2016年1月 7日 (木)

上野の森美術館で肉筆浮世絵

なんだが、美人画浮世絵づいてしまいました。新聞販売店の販促で券をもらったこともあって「肉筆浮世絵」展に行きました。幸い、自転車も入り口の脇に置くことを許してくれたので、アクセスは簡単。
Uenonomori    
   
事前にテレビ東京の特集番組で予習しておきました。また8日にはBS日テレでも取り上げるようです。このあたりが春画とは違う、表の美術です。それにしても、そちらで見かけた名前が多いこと。勝春、磯、歌麿、豊国、英泉、北斎…そして鳥文斎栄之もちゃんとありました。
Moronobu

庶民も触れることもできた版画浮世絵とちがって裕福な人たちに流通した肉筆画。副題が「浮世絵師が書いた江戸美人100選」で、さすがにひときわ美しい。これまで風景画の浮世絵ばかりに興味を持っていましたが、見直しました。   
今回の展覧会はやはり国外に流出したものの里帰り。アメリカの銀行家のウエストン氏のコレクションの一部だそうです。目玉の一つは歌麿の美人画だそうですが、ふつうの浮世絵と毛色が違って中国の西王母の姿です。   
北斎の作品は懐に猫を抱いた女性の図。これはどこかで見かけたことがあります。
Hokusai

栄之の絵巻物に描かれた三囲神社の鳥居は四季競艶図のものとまったく同じで嬉しくなりました。   
   
この展覧会は大阪・長野とまわって上野が17日までです。   
   
見終わってミュージアムショップの奥のカフェでお茶でもしようかと移動したら入り口に、別の浮世絵展覧会の案内はがきがありました。こちらは館所蔵の版画をギャラリースペースでやはり17日まで開いています。   
今回の半券があれば半額の100円で入場できます。

---------- 追記 ------------

後日、所蔵浮世絵版画会にも行きました。開館直後で一人でじっくり観覧できました。有名な絵をサイズ大きくまじかで見ることができるのはよい機会でした。
上野の山の花見は、歌舞音曲禁止というとおり、三味線などを抱えた人間は一人もいません。でも浮かれた気分は抑えられないのでしょう。子供は駆け回り、伴奏なしで踊る大人も描かれているのに気付きました。

チケットの柄が4種類あり、再訪を促しているのでしょう。

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2016年1月 6日 (水)

鳥文斎栄之の春画

ネットで探し回ると、永青文庫の展覧会でも、栄之の作品の評判が良いことがわかりました。浮世絵に関して、無知も同様の私が知らずに惹かれるのも無理はないですね。   
   
WEBにはフリーの春画画像がいくつもありますが、この「四季競艶図」は見当たりません。書籍をあたるしかなさそうです。肉筆画ゆえの美しさを間近に見てみたかったのです。 会場は暗かったですからね。   
   
画集というのは、その収録作品名で検索するのは難しいようです。確実ではありませんが、「春画~秘めたる笑いの世界」(2003:洋泉社)と別冊太陽「肉筆春画」(2009:平凡社)の2冊が網にかかりました。   
区内にはなかったので、荒川区、江東区でおさえました。 CDと違って書籍は自治体を越えて地元で借り出すことができるのですが、日数がかかってしまいます。自転車で気軽に借りに行ってすぐに手に取ることができました。
Syunnga春画~その秘めたる笑い Nikuhitsu肉筆春画    
   
もう1冊、「肉筆春画の世界」(2015:宝島社)は発行時期から考えて今回の永青文庫の展覧会にあわせて発行している可能性が高いです。別冊宝島というメジャーな部類だと思うのですが、シリーズの別の本を持っていても、これを蔵書とする図書館はないに等しい。検索当初これは東村山市と川口市にしかありませんでした。(現在は八王子も所蔵)   
春画だから?   
図書館では書籍はリクエストを受け付けるので、最寄館に申し込んでみました。購入が約束されてはいませんが、これで都内の他市から借りてくれます。   
1月以上かかって、暮に準備完了のメールが届きました。蔵書にしてくれました。返却待ちの人もありました。
Nikuhitusekai肉筆春画の世界    
   
結局この3冊に目的の「四季競艶図」が収録されていて、再会することができました。   
   
そこで書籍の限界に改めて気づかされました。大判で精細に美術品を掲載するとなると、見開き両面ということになります。   
結果、ページで絵が切れて綴じ込みの性質によってはつながりが歪んでしまいます。1ページ1枚だと大きさが犠牲になります。   
   
実際に綴目を比較します。   
Eishi1春画   Eishi2肉筆春画 Eishi3肉筆春画の世界
「春画」が最も水平に近く本を開くことができます。他の2冊はかなり丸まって影ができます。「肉筆春画」は前の人が無理に広げようとしたようで、綴じが全体的に緩くなっていました。抜けそうなページもありました。   
「肉筆春画の世界」は新品のために歪みが最もきつかった。ただし、この本は4枚をまとめて解説するページがあって、そこでは切れ目なしです。それぞれの絵の大きさは10cm x 6cmという残念なもの、ハガキの半分以下です。
Eishi4

収録品がわからない画集は他にもいくつかあるので、もっと探そうと思いますが、こういうものは電子書籍に利があるようです。

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2016年1月 4日 (月)

下谷七福神

一昨年の谷中七福神、昨年の浅草名所七福神につづき、台東区のもう一つの七福神を巡礼してきました。   
下調べをするのに参考にしたら、七福神のブログの多いこと。七つの福神をコンプリートする意欲だけでなく、七福神コースをコンプする強い気持ちが人にはあるんですね。   
下谷七福神も、昨年と同じ北めぐりんルートならんでいて、年寄り連れには都合がよい。昭和の終わりに始められた新しいものだそうです。
Sitayaseven1 Sitayaseven2 Sitayaseven3  Sitayaseven4 
Sitayaseven5 Sitayaseven6  Sitayaseven7
   
浅草駅から北めぐりんに乗りましたが、混み合うバスも待乳山聖天、今戸神社をすぎるとガラリと空きました。   
本来の順序はどうかわかりませんが、三ノ輪で降りて寿永寺からスタートです。次いで歩いて飛不動。ここは以前に寄ったことがあります。朝日弁財天は地図で検索しても出てきません。普段は閉じている社を正月期間だけ地元の人たちで開帳している小さなものです。   
せっかく一日乗車券があるのにバスを使うには近すぎるので歩く、というのは皮肉です。金杉地区に移動するのにバスに乗って、下谷富士(波照間神社)近くの二つの寺院、法昌寺・英信寺に移動しました。   
入谷鬼子母神はすぐなのですが、あえてバス停にもどって鶯谷駅の元三島神社にお参り。この神社が線路と同じ高さなのは、下にテナントを入れるビルにするためと教わってびっくりしました。ちょうど次のバスが来たので一駅だけ乗っかって鬼子母神へとあえて遠回りしてバスを使いました。   
   
これで七福神めぐりを兼ねた散歩は終わりです。元三島神社が高い理由もわかったし、最後に昼食に入った手打ちうどん屋で、「しっぽくうどん」に出会えるなど思わぬ収穫もありました。関西風のだしの店なのであるのが自然なんですね。具はタケノコ、小松菜、ゆで卵、竹輪、ネギにたっぷりの花かつおがかけてあります。
Sippoku_udon

そして帰りのバスは浅草に近づくにつれ混みだし、国際通りを通るころにはぎゅうぎゅう詰になりました。

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2016年1月 2日 (土)

えどはくでお正月2016!!

恒例の江戸東京博物館の新年無料開放デーに出かけてきました。昨年はこの企画がなくなって途切れたので、暮に確かめる気にならなかったら見逃していたかもしれません。   
   
こうなってあとから考えると、通常展の大幅更新のあと、3月に開放日を設けたので、その分だったのかもしれません。   
というわけで、あけましておめでとうございます。   
Edohaku2016
   
江戸博は前回と同じ、琴の演奏、獅子舞、ギボちゃん登場と正月仕様になっていました。日本橋を渡り切った正面には、「江戸城年始登城風景図屏風」(明治の作品)の屏風が展示されています。   
大名が江戸城に集まる様子と、それを目あての庶民がびっしり描かれています。
Nensitojo     
   
そして、日本橋の下、中村座の前に並ぶパイプいすはもう一杯です。今回も夢からくり一座による、からくり人形演示が日に3回行われるのを待っているのです。   
私も列の後ろに立ってまちました。からくりが始まる前に後ろで歓声が上がりました。日本橋の向こう側に獅子舞が来たのです。獅子舞に人が群がるなんて、もう町中では見られない光景です。いやどこかで獅子舞に会えるのでしょうか。   
始まると、小さな子供が足元をすり抜けてイスのさらに前にしゃがみ込みました。彼らはならんだ3体の人形のからくりがはじまると膝立ちで移動しました。   
からくりは矢射る人形、箱をたたくと中身が入れ替わる手品、筆書きがメインです。
Yumekarakuri     
   
まもなくレオナルドダビンチの特別展も始まるようですが、常設展の中の企画展では「天璋院の用箪笥」展が開催されています。(~2/21)   
Tansu (写真不可なのでHPから)
篤姫から徳川宗家の嫁2代に引き継がれた用箪笥とその引出しの中の手紙や文具などが公開されています。篤姫から和宮宛の手紙も見ることができます。   
   
常設展無料は明日3日まで。夢からくりは8日までなど日によって正月イベントは異なります。

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