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2017年8月

2017年8月30日 (水)

境界協会の本

著者・小林政能さんの講演を聞いた縁で、「なんだこりゃ?知って驚く東京「境界線の謎」(実業之日本社)」を読みました。その講演中に図書館に予約を入れたのですが貸し出し中だったので番が来るまでずいぶんかかりました。

前半は、都内の不思議に思える境界線の紹介です。飛び地とか未確定の境界とか。

後半は、都域拡張、区の数や統合・分離・拡大の歴史を述べています。それを時代を逆たどるかたちの編集がよかった。結局はどこかに江戸の名残があるということですね。
・豊島区から練馬区が分かれて23区が確定した (1947/8)
・戦災の人口減が著しく、35区が22区にまで統合せざるを得なかった (1947/3)
・東京府、東京市を廃して東京都成立 (1943)
・千歳村、砧村が世田谷区に編入して35区最終確定 (1936)
・市街地が郊外まで拡張して、35区に増加 (1932)
・三多摩が神奈川から東京に編入 (1893)
・東京府内に、15区を再編成し東京市とする (1889)
・朱引き線、墨引き線を基に東京府内に市街地に15区を設置 (1878)

といったような区切りが章立てされていて、その間の経緯やできごとも章として加えられています。東京に編入されるときに三多摩地区では大規模な反対運動があった。まだ中央線(甲武鉄道)が開通する前で東京との結びつきがほとんどなかったから、なんて読むまで考えもしませんでした。
平成の市町村合併でもすったもんだが各地でありましたが、都内という狭い範囲でもいろいろな悶着があったことが記されています。面白い本でした。

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2017年8月28日 (月)

小塚原刑場の発掘

オワコンともささやかれるテレビ放送ですが、おまけのライフを送るようになってますます依存している気がします。週間の番組表を眺めて録画していますが、地デジ全局をとりあえず録画するタイムシフトマシンが欲しいと思うことがありました。   
   
天気情報のテロップの入ったブラタモリ・長瀞を、再放送できれいな放送を録画しようと思ったら微妙に放映予定時刻とずれたらしく、録画待機状態が続いて結局できていませんでした。確認でその再放送をずっと試聴していたのに、気づきませんでした。そんなときタイムシフト録画機なら…   
   
科学博物館のバックヤード情報は放送されると必ず録画するようにしていますが、ゆうべは気が付きませんでした。さいわい、博物館の分野別に番組を分けていたので、最初の動物剥製のパート終わりで気が付いて、人体標本パートに録画が間に合いました。こんなときタイムシフト録画機だったら…   
   
そこではつくばEXPの工事にともなう、南千住駅付近の発掘調査で、小塚原刑場からでた人体資料を紹介していました。深夜番組だからか、映像もしっかり映し出しています。頭蓋骨に傷の多くの標本からは「槍の試し突き」に使われたものではないかと推察が示されました。この話は初めて耳にしました。刀の試し切りのことは、マンガ・「カムイ伝」で描かれたので知識はありましたから、そりゃ槍も試すんだなと教えられました。そう思ったらすぐに試し切りの標本が紹介されました。骨の切断面が、異様なほど鋭利。日本刀の凄さです。
Scim1試し突きの傷  Scim2 試し切りの分析    
表面の崩れた頭蓋骨を示されて、出演の水道橋博士がすぐに「梅毒(末期症状)」と言い当てたのは、さすがと思いました。マンガ「仁」はこのあたりを描くためにできた作品でした。語られた当時の罹患率は50%…は治療法のない時代としても多すぎな気がします。
Scim3     
   
跡のほうの植物標本のパートでも、長崎出島にやってきたスウェーデン学者・ツンベリー(ツンベルクとも)自身の植物標本が紹介されました。
Scim4     
解体新書の事業に加わった、桂川甫周・中川淳庵を指導して、彼らのことをヨーロッパで記録に残し、それを漂流してロシアに渡った大黒屋光太夫につたわって、帰国後の江戸城での取り調べの際に補修も臨席する、という奇跡のような瞬間が愛読マンガ「風雲児たち」で描かれました。   

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2017年8月26日 (土)

変化朝顔満開

夏休みはうちのおまけ塾の生徒のところでは終わりました。今でも低学年は朝顔の観察記録をつけているのでしょうか。野菜のようにこの夏の天候不順は影響があったでしょうか。   
かねての予定通り、変化朝顔展示会に日比谷公園まで行きました朝顔なので7時には出発。1時間かからずに自転車で着いちゃいますが、この戻ってきた夏は厄介で、ペダルをこぐ膝にズボンがまとわりつきます。    
   
日比谷公園というのは何度かなかを通り過ぎたことがありますが、目的地としたことは初めて。丸の内側の入り口を入るとすぐに日比谷見附の石垣が部分的に残されていることがわかりました。もとは枡形門で古写真も残っています。    
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会場はテニスコートわきにある、第三陳列所という施設です。会場が広いので散漫な印象を受けますが、先月の小石川での会の数倍の規模でした。また展示台のものだけでなく、地面で養生されている朝顔も、これが?と思うくらい花も葉もツルも通常の朝顔とかけ離れたものでした。変異が固定していない、1代雑種で種をつけることがないので、この性質を受け継いでいくのは確率の世界です。
Henkaasa1 Henkaasa2
Henkaasa3 Henkaasa4 Henkaasa5 Henkaasa6
Henkaasa7 Henkaasagrd Henkaasaseed 可能性のある種を販売
    
今年は雨が多く、生育には影響があるようで、雨覆いをして育てるなどの苦労もあったそうで、順調ならば朝顔の数はもっと多かったはず。毎年とは言わないけれど時々様子を見に来ることにしましょう。   
   
この会場では月初めに大輪朝顔の会の展示も同時に行っていました。入口にその名残がありました。
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サマーナイトミュージアム・江戸東京博

8月の毎金曜日、ですから最終日でした。   
夏の間、開館時間を延長する博物館はいくつかありますが、江戸東京博物館・常設展もそんな試みをやっていました。企画展で「徳川将軍家へようこそ」、特集展で「東海道五拾三次展」と二つのイベントを重ねているので、行ってみました。他の展示物も折に触れて細かく取り換えられているはずですが、告知されませんから気軽に何度も入場するのはためらってしまうので、いいチャンスでした。    
   
9時まで閉館をのばす、サマーナイトといっても屋内なので、見た目には変わりがありません。中村座前で恒例のひまわり寄席の時間も遅くなっていて、入場すると尺八演奏がすでに始まっていました。着席して聞くのが礼儀でしょうが、家に年寄りだけで留守番させているので、企画展から見始めました。すると演奏がBGMとなって展示の鑑賞ができて、素敵な感じでした。
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あと5:30以降の入場は2割引きの480円になります(学生無料)。博物館のほんの一部だけつまんで見るにはよい値段です。自分の場合はすみだ北斎美術館の入場券(パスポート)を持っているので、それを見せれば同じ480円ですからあまり意味はありません。    
   
「徳川将軍家…」は徳川記念財団と日頃から協力して開催するイベントの一環です。今回は家康の描いた絵・家光が手を入れた屏風絵、将軍肖像の元となった下絵など珍しいものが見られました。    
江戸城吹上庭園・そこから見た景色を描いた作品は滅多にないものに、感嘆しました。    
吉宗時代の「目安箱の鍵」もよく保存していたものです。    
   
ハリスの帰国を指示したのはリンカーンだったんですね。その国書の訳文(幕府用)がありました。「風雲児たち」でもそこまで話が進んでいません。義信関係の文書は多かったです。    
   
この企画展は9月24日までです。    
   
特集展示は、「日本の美」のコーナーがそっくり宝永堂版・五十三次で占められていました。さすがに全点は無理で、18点、「日本橋」「箱根」「蒲原」「庄野」…選りすぐりが掲示されています。この作品はいつでもどこかで公開されているようなものですが、一角に、広重自身の描いた五十三次のおもちゃ絵や近年の永谷園のおまけカードも置いてあって楽しめました。    
これは27日・日曜まで
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さて、このサマーナイトミュージアム企画でもっとも印象的だったのが、入館者の少なさ!です。いつもは人だかりがしている寿司や蕎麦の屋台も余裕で見られます。今回自分は端折って観覧でしたが、ひとつひとつをゆっくり鑑賞できたのはよかった。来年もまたチャンスがあればと思います。
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2017年8月19日 (土)

浮世絵のかけ替え

すみだ北斎美術館の「富士山」展はⅢ期のかけ替えがすんですべての作品を鑑賞したことになります。次の特別展も決まったようだし、年間パスポートは有効に使えています。   
たばこと塩の博物館は、夏休みなので子供向けの塩の実験を開いています。子供連れでにぎわう中、たばこゾーンに移動すると一変します。通常展は大きく変わるところはありませんが、浮世絵コーナーの5,6点が不定期で取り換えられます。以前行ったときは力士が題材だったと思います。本場所の時期だったかも。   
今は、夏休みにちなんだのか、「子供の遊び」がテーマです。虫づくしといって、カブトムシやトンボ・セミなどを羅列した図鑑的なもの、ゲジゲジとかミミズも遊び相手だったこともわかります。子供が切り抜いて遊び道具にする印刷物、福笑いとか家財道具を切り抜いて並べるものとか。役者の似顔にいろいろ鬘をかぶせるのがありましたが、いつでも子供の興味はかわらないですね。   
こういうのを「おもちゃ絵」と呼ぶということですが、母子を描いた浮世絵にも、こういうおもちゃ絵で遊ぶものが展示されていて、その取り合わせが素晴らしい。
Omochae0 Omochae1     
2か月程度のスパンで取り換えているようなので、もっと行く回数を増やしてよさそうです。    
   
上野の国立博物館でも2Fの衣装・浮世絵の展示室でちょうどかけ替えに出会いました。    
ケースには広重の木曽街道が5点、壁面には夏の涼に関する作品が並べられていました。両国の花火や大山の滝などです。その中でも国芳の「百物語・化物屋敷の圖 林屋正蔵工夫の怪談」という作品に出会えたのは喜びでした。
Shozo_kufu国立博物館HPより       
それが1週間ほどたつと、ケースには広重の名所江戸百景から6点など。壁面にはやはり夏の夕涼みを描いた別の作品に替えられてました。   
   
すみだ郷土文化資料館も9月初めまで、夏恒例の「隅田川の花火」展をやっているので、確認してみましょう。    
   
博物館は、気軽にちょくちょく覗いてみるものですね。

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2017年8月 4日 (金)

向島百花園の文化講座

百花園を開設したのは、東北から江戸に上って事業に成功した佐原鞠塢という人物です。文化年間に向島の武士の屋敷を買い、植物を鑑賞する場所としました。人寄せのために、仲間の文人たちと七福神めぐりを開設したことも記録されています。   
明治43年の東京下町を襲った洪水では、下町から1カ月間水が引かず、亀戸の梅屋敷も向島百花園も壊滅状態になりました。そして亀戸と小村井の梅屋敷は廃業。百花園については支援者の援助で復旧はしましたが、経営を譲渡、さらに空襲で再び破壊されて、運営を都に委ねて復旧することになりました。その時は野球場にしようという案もでて、議論を呼んだそうです。   
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そんな話も佐原家の子孫の人から、当事者として伝わっている話を聞く機会がありました。園内に再建された御成屋敷で応募者を集めて墨田区の歴史を知る講座の一環です。   
義父が存命であれば地域の人の知り合いもあったでしょうが、すっかり何もわからなくなった年寄りを世話している現状ではそれも望めません。いい機会でした。   
   
空襲では水分の多いイチョウなど何本かは生き延びたそうですが、中には焼け出された近所の人が薪として取りに来たという、見た人ならではのエピソードも聞けましたし、家に伝わる逸話も楽しめました。
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今回、初めて知ったのは隅田川焼きです。対岸の今戸で焼き物が盛んだったのは適した土が取れたからです。そういう土はこちら側にもあって、都取りなどをモチーフとした土産物でした。また来園者が作陶体験するという、今にも通ずるようなアトラクションでもありました。   
やはり戦災で耐えましたが、戦後一時復活したのに、火災の危惧から廃止となったそうです。今でも佐原家が経営する園内の茶店でレプリカが販売されています。   
園内も案内してもらいましたが、元は蓮が池に植わっていたとか、山道を模していたとか現場で育った人ならではの話も楽しかったです。   
   
今回入場するときに、年間パスポート600円があるのに気づきました。本当の植物好きなら、頻繁に訪問して季節を楽しめるでしょう。この時期は「大輪朝顔展」が開かれていて、TVでも紹介されました。
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2017年8月 1日 (火)

「落語ディーパー」をみました

Eテレでは「落語 the Movie」の再放送が終わりました。再放送とはいえ「江戸に聞く」という本編の役者によるミニコーナーを追加していましたから全部録画しなおしました。総合のほうでお盆に特番があるようです。

その枠であたらしい落語番組が始まり、チェックしましたが驚いたのは落語本編はネットで見てください、と宣言したことです。初回は「目黒のさんま」を題材に殿様をどう演じるか、とかなぜ目黒?とか、「深く掘り下げる」対談をしていました。ただ古典落語なのでそのような「掘り下げ」は100年前から、繰り返されたことですから、明らかに「落語初心者の若者むけの掘り下げ」です。だから「本編はネットで見て」なのでしょう。
そうはいっても馬生や先代圓楽、市馬協会長のサンマ食べ方の比較映像は見ごたえがあったので次回「あたま山」も見ます。

番組で「落語家の数は江戸時代以来」と言ってましたが、若いファンも増えているようだし、いつか若手噺家の中から気になる名人が出てくるかもしれませんね。

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