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2018年2月26日 (月)

下町でしっぽく蕎麦

何気なく蕎麦屋に入りました。「雀のお宿/向島七福」という店で、江戸時代に醤油が市中に出回るようになる前に提供されていたという古いタイプの汁を出します。近年、向島の料亭が開いた店で、あえて江戸趣味を打ち出そうというコンセプトなのでしょう。桜橋に近く、いつでもいけるという甘えからずっと立ち寄らずにきました。そういえばスカイツリーもタワーにはまだ上がったことがありません。   
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セイロを頼むとこのように2種類のツユがついてきます。薬味もそれぞれ別に盛られています。    
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右はしょうゆのツユ。ダシが利いて濃いめです。もうひとつが味噌を出しで割ったツユで、これが古式の蕎麦ツユ。どうせなら、ゆでる前の蒸して出したという古式の蕎麦と合わせてみたいところです。ゴマとアサツキをこれに入れてくださいね、とのことでした。旨味はしっかりあるのですが、醤油のツユのほうが好みでした。取って代わられたには何かしらの意味があるのでしょう。    
   
ろくにメニューを見ないで注文したので、食べ終わるころに「しっぽく」の文字に気づきました。うどんもそばもありますが、「きつねしっぽく」という耳慣れない名前がついていました。    
   
数週間後に再び暖簾をくぐり、しっぽくを確かめました。きつねの文字がついている通り、厚めの油揚げが2切れ入っています。他にはシイタケ・三つ葉・麩・かまぼこ・エノキ・厚焼き玉子です。しっぽくというのは「天ぷら」「鴨」「花巻=海苔」のようにタネの名前ではなく、「さまざまな具」という意味合いでしょうから、どんな具が入っていてもいいわけです。    
セイロと同じようにひょうたんの形にくりぬいた蕎麦、太く刻んで結んだ蕎麦、端切れが盛り込まれていました。さすがに料亭がやっているだけあって汁もとても美味しい。    
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昼時で込み合っていましたから、店の人にあれこれ聞くのもはばかられ、会計の時に「あまりない蕎麦ですね」と話しかけたら、「昔からのメニューを加えたくていれたもので、昔あったものを取り入れた」といいます。「きつねしっぽく」という名も昔使われていたものだそうです。それは初めて聞いたのでまたどこかで確認しましょう。(ググって1ページ目では見つかりません)    
セイロのツユのこともあるし、こちらの店では「向島の江戸っぽさ」を求めて、この名前を付けたのでしょう。    
   
顔の形にしたのがウケて「しっぽく」を駆逐したと思われる「おかめ」ですが、単にタネの配置の意味合いしかありません。まして「おかめ」の言葉のもともとが忘れられつつある現代では、関西では現役の「しっぽく」が何かのきっかけで復活するかも…なんて思いました。

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