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2018年10月13日 (土)

東京駅ステーションギャラリーの横山崋山展、「紅花屏風」

全く勉強をしたことのない事項はしかたないもので、テレビ番組から教えてもらって知りました。横山崋山というのは文政年間に活躍した絵師で現在ではすっかり忘れられた存在だそうです。初めて目にする名前で録画も1週間たってぼんやり見ていました。その中で紅花屏風の展示が明日14日までとわかってあわてて出かけることにしたのです。 
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ステーションギャラリーは以前と入口が変わっていてまごつきました。自販機で入場券を買い、エレベーターで3Fに移動します。9歳のときに見事な牛若弁慶の絵を残したといい、山水図や唐子図、花鳥、人物の素晴らしい絵なのですが、足早に過ごします。自動ドアから出て階段を2Fに降りました。    
   
これからは写生力をさらに生かした作品です。まず花見の様子が生き生きとを描いたものから。江戸のころには中国の文物・風景が尊ばれたのでしょうが、やはりこういうほうがいい。浮世絵にたいする思いと通じるものがあります。この展覧会の目玉は「祇園祭礼図絵」で、祇園祭の山車が精密に描かれている絵巻物です。上下2巻がすべて展開されていて、珍しいことに下絵もきちんと残っていて展示されています。その緻密な絵は現在失われた一つの山車を復元するに足る資料で、その準備も始まっているそうです。 
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今回のめあては「紅花屏風」で、同じ部屋にありました。京都の紅花商人の依頼で産地の東北・山形にまで取材に赴き、6年の歳月をかけて完成したものです。祇園祭では屏風を外から見えるようにおいて、民衆を楽しませたのだそうです。紅花の種まき、収穫から加工して紅を出荷するまでを描き、作業の人々が談笑したり、喧嘩したり、おやつを食べたりと生き生きとしています。現地での射精が元になっているといっても工程をわかりやすくする編集はくわえてあり、紅花というのは蕾から加工の途中までは黄色で、大半を占める黄色色素を取り除いて赤色を抽出するのですが、そんなことを知らない当時の民衆にははじめから花を赤で描いて見せています。 
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最上地方は江戸時代から今に至る紅花の産地ですが、江戸時代の一時期、中山道沿いの現在の埼玉の中央部に著名な産地がありました。自分の家の近くの地域なので昭和の終わりごろから町おこしの一環で紅花をフィーチャーしていることを、「忘れ去られてものをいまさら」と冷笑してはいるのですが、武州の紅花生産も屏風の右隻に描かれているというのです。崋山はそちらにも滞在して取材しているはずです。    
その証拠となるのは紅餅の大きさです。日照が長い関東では紅餅が大きく、東北では小さくなるといいます。 
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なるほど、左隻には最上川から北前船の舟運も描かれていますが、右には小川が流れているだけです。してみると、先祖代々由緒も何もない農民だったはずなので祖先の知り合いくらいは描かれているかもしれません。ぜひ目にしておきたいと足を運んだわけです。    
   
他には本願寺の火災を描いたものとか、京都の町の俯瞰図も興味を引きました。俯瞰図は作成当時焼失していた方広寺の大仏殿が描かれたものとふたとおりあり、足をしばらくとめて見比べてしまいました。    
   
展覧会自体は11月11日までです。

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