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2019年5月24日 (金)

浮世絵展・二題

久しぶりに日常のループを外れてほんの少しの遠出をしたので記します。

いずれもNHKで紹介されて浮世絵の展示会に行きました。ひとつは松涛美術館の「女、おんな、オンナ」と女性をテーマにしたものでした。以前だったら松涛でも自転車で行ったものですが、しばらく控えているので、半蔵門線で渋谷に出ました。道玄坂を上がってさほど遠くないのですが、乗ってみたかったからハチ公バスを使いました。
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この美術館、60歳以上でシニア料金を適応するのでちょっとお得です。訪問の日が渋谷区民無料デーにあたったからなのかけっこうな混雑でした。スタッフのギャラリートークに大勢が集っていました。
今回の展示はもともと、春画をやりたかったのだそうです。しかし近年静嘉堂文庫で大々的に行われたことから、女性の生活を取り上げる中でその一部と工夫したのです。遊びや教育、労働といろいろな場面でコーナーをくくります。女性をテーマにすると役者絵のジャンルがすっぽり抜け落ちます。しかしそれが女性が憧れの役者の浮世絵を持っているというシーンでちゃんと描かれているのは感心しました。
浮世絵に見る女のくらしという副題ですが、浮世絵以外にも衣装や化粧道具なども展示してあり、江戸東京博でみた篤姫の道具に再会もしました。
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最後の部屋が春画です。NHKではうまく局部の隠れている資料を使っていましたが、ちゃんとしたワ印です。前期・後期の二部構成だけでなく、特に春画はA/B/Cの三期に分けて数多くの作品を展示するように設定してあります。近所で年間パスがあるのなら、鑑賞コンプを狙ったことでしょう。
そして、鳥文斎英之の春画絵巻が大トリに控えていました。唯一の肉筆作品で、女陰までが美しい。この1点でも来たかいがありました。


もうひとつ、千葉市美術館で開かれている、「メアリー・エインズワース浮世絵コレクション」です。明治期に訪日したアメリカ女性が浮世絵と出会い、その後生涯をかけて蒐集したものです。
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コレクションの特徴は初期浮世絵が多く含まれることです。春信が代表する、墨一色で手彩色・墨と紅の二色刷りの作品はこのコレクションにのみ存在するものもあるそうです。これだけ多くの黎明期の浮世絵が並んでいるのは初めてでした。日本では忘れられ、西洋で価値を認められた浮世絵の運命そのものがここにあります。
でもやはり素朴で今の目で見ると物足りないのは確かです。
多色刷りに移行した錦絵を集めた部屋に移ると、その場所そのものが輝きだしたようです。北斎の風景画が埋め尽くされるようになると落ち着きます。

フロアをさがるとコレクションの多くを占める広重が迎えてくれます。五十三次の「日本橋」の先刷り・後刷り・変わり刷りが並んでいるのは珍しい。「あたけの夕立」も二種類。コレクターの気持ちがわかります。
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どちらの展示会も26日、日曜日までです。

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